研究課題/領域番号 |
08041048
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 信 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20164436)
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研究分担者 |
山本 伸幸 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (90284025)
赤尾 健一 早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (30211692)
安村 直樹 東京大学, 農学部・附属演習林, 助手 (70280948)
立花 敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50282695)
井上 真 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10232555)
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キーワード | 米国南部地域 / サザンイエローパイン / ニュージーランド / ラジアータパイン / 輸入丸太の低質化 / 輸入丸太価格の高騰 / 加工材輸入の増加 / 東南アジア諸国 |
研究概要 |
当該年度は、世界的に見て重要な木材供給元になってきた米国南部地域とニュージーランドを主な対象として調査を実施し世界の木材供給構造に関する新たな知見を得た。また、それらを踏まえ日本や韓国への環境問題等の影響を把握した。 1. 米国南部地域はサザンイエローパインの造林を積極的に行ってきた。それらは成長が早く30年程度で伐期に入る為、近年は伐期に入るとともに木材供給量も増大している。その供給先は米国内とカリブ海沿岸地域等が主であり、特に米国内向け供給は米国北西地域の丸太伐採規制つまり同地域からの供給減に伴って増加した。一方で、同地地域から日本や韓国への供給は米国内市場向けの増加や地理的要因等により顕著には増えておらず、今後もその状況に大きな変化はないものと考えられる。 2. ニュージーランドでもラジアータパインの造林を積極的に進めてきた。ラジアータパインも成長が早く25〜30年で伐採される為、1980年辺りから丸太輸出が急増した。輸出先はオーストラリアや日本・韓国等であったが、オーストラリアの人工林が伐期に達しつつありあと数年で木材自給が可能となる。こうした背景から、同国は日本・韓国に加えて中国やマレーシア、インドネシアも輸出先として開拓を図ろうとしている。マレーシアやインドネシアでは、林産業の振興を図りつつも過剰な伐採により森林資源が減少しており原木不足が深刻化している。今後は東南アジア諸国等でラジアータパインの輸入やその加工品の輸出が増え、それらが日本や韓国でも輸入される可能性があると考えられる。 3. 日本と韓国は、主な貿易相手国であった米国北西海岸地域での丸太輸出規制政策、インドネシアやサバ州での丸太輸出禁止政策等により九太輸入元の多角化を図ってきた。だが、両国とも輸入丸太価格の高騰や輸入丸太の低質化、製材品・合板等の木材加工品の輸入増等が背景となって林産業は衰退の一途を辿っている。
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