研究課題/領域番号 |
08041071
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
宗田 好史 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (70254323)
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研究分担者 |
FALINE Paol ローマ大学, 建築学部, 教授
MONTANARA A ローマ大学, 建築学部, 教授
神吉 紀世子 京都大学, 工学部, 助手 (70243061)
山崎 寿一 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (20191265)
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キーワード | EU観光政策 / 共通農業政策CAP / EU観光政策アクションプラン97 / 田園観光 / 景観計画 / 田園余暇スタイル / 集落景観 |
研究概要 |
EU田園観光は、EU観光政策アクションプラン97の重要な課題である。観光部門のみならず、環境・農業の各部門の共通政策課題として注目されている。本研究は、従来わが国の農学・農政分野のグリーンツーリズムによる農村振興策として紹介された内容に、偏りがあった点を指摘した。 具体的成果は、主に外国人分担者を中心とするEU研究者・研究機関との共同研究会開催・現地調査によって得られた資料であり、あわせて本研究が実地・実施したアンケート調査等を通じて、以下の点が明らかになった。 1)田園観光では、田園余暇スタイル、農家や集落の建築物、集落景観、自然環境等が観光資源で、あわせて農産物・食文化にも波及的効果が及んだ地域(イタリア・フランス)があり、極めて選択的観光形態が形成されている。農業・農業生産への効果、地域振興の波及は比較的きびしい状況にあった。 2)田園観光化に成功した地域では、この新しい観光形態に即した空間的演出(計画・管理・利用)を来訪者(観光客)に示すことによって、観光資源の活性化を図っていた。 3)集落の土地利用、景観計画、施設計画、既存建物改善・改築デザイン指導等物的計画手法は、対象3ヶ国それぞれであり、これは研究代表者等がこれまで研究した都市計画手法の違いと、国民の環境意識によるものに整理してまとめることができた。この点が、各国の余暇活動全体の社会的条件や自然地理条件との対応から説明できた。 これらの点によってわが国に相応しい物的計画手法を探る端緒が得られた。 また、京都府下自治会で、外国人分担者と共同で行った自然景観、農山村景観保全手法確立のため実地調査・セミナには府関連部局はじめ、関連市町首町や職員が参加し、EUの実態を紹介、問題意識を深めることに成功した。特に、今年度事業である府企画環境部所管「丹後リゾート公園」計画、商工部所管「京都府観光産業振興ビジョン」策定の両委員会への貢献は大きかった。さらに、トスカ-ナ州政府の協力により、インターネットによる田園民宿ネットワーク化を丹後地域に活用する事業が始まった点も関連成果である。
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