研究課題/領域番号 |
08041074
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
石川 晃弘 中央大学, 文学部, 教授 (80055178)
|
研究分担者 |
FALTAN Lubom スロバキア科学アカデミー, 社会学研究所, 所長
細井 洋子 東洋大学, 社会学部, 教授 (80073633)
山村 理人 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (60201844)
園田 茂人 中央大学, 文学部, 教授 (10206683)
川崎 嘉元 中央大学, 文学部, 教授 (90055228)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
キーワード | 社会主義 / 脱社会主義 / 地域社会 / 体制転換 / 地方自治 / ローカル・リーダー / スロバキア / 民営化 |
研究概要 |
この研究は、1989年-90年にロシア・東欧諸国で社会主義体制が崩壊したあとの社会的再合過程に注目し、マクロレベルにおける国家体制の転換と、ミクロレベルにおけるの人々の生活構造の変動とを媒介するメゾレベルとして地域社会を措定し、その再編成過程をケーススタディを通して実証的に追究することを目指した。ケースとしてとりあげたのは中部スロバキアの地方小都市、ブレズノ市とバンスカー・シチアブニッツァ市である。この二つの都市の社会変動についてはすでに1991年-92年に現地調査を行っているので、今回の調査はそのフォローアップ・スタディの意味を持つ。現地調査はスロバキア科学アカデミー社会学研究所のスタッフの協力を得て、(1)政治・行政・経済・文化の各領域の地域エリート層に対する面接調査、(2)住民一般を対象としたアンケート調査、の二つを主な方法的武器として実施した。調査時点では旧国有の工場や鉱山はすでに民有化されており、そのもとで実施されたリストラと人員整理により、地域社会のなかに失業者が滞留し、企業は活路を見出しがたい状況にあり、雇用不安と生活不安が人々の心理を覆っている。一方、新体制のもとで導入された地方自治制度とその運用は人々の不安とニーズにマッチせず、地域政治エリートの行動は草の根の要求から懸け離れた、中央指向で彩られている。この間にあって住民の間に行政不信と政治アパシーが広がっている。そして住民の中から集団的な自治行動は育っておらず、住民の生活と意識は原子化している。しかし犯罪の増加の兆しは見られず、社会的逸脱が広がる傾向はみとめられず、地域社会の中になんらかの統制機構が働いているとみられる。これの追究は今後の研究課題である。
|