研究課題/領域番号 |
08041078
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
倉橋 英逸 関西大学, 文学部, 教授 (80225250)
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研究分担者 |
柴田 正美 三重大学, 人文学部, 教授 (40187406)
大城 善盛 同志社大学, 文学部, 教授 (00213710)
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キーワード | 情報技術 / 情報政策 / 図書館政策 / 情報専門職 / 準情報専門職 / 図書館員 / 図書館情報学教育 / カリキュラム |
研究概要 |
前年の欧米の図書館情報学教育の実態の調査研究に引き続き、本年度はアジアの新興国の図書館情報学教育の実態を調査した。 中国の図書館情報学教育は、一般図書館員養成の学部教育と図書館専門職養成の大学院教育がある。両者ともに従来は図書館員養成に重点が置かれていたが、欧米と同じ考え方に立ち、図書館員を含む幅広い情報専門職養成をめざしてカリキュラムの改革を積極的に進めている。現在は情報基盤の整備が遅れているが、学内の情報処理センターの整備と図書館のコンピュータ化を積極的に進めている。 韓国は1994年に全ての図書館のネットワーク化をめざした「図書館・読書振興法」を制定して図書館サービスの改革を進めている。韓国には現在約30大学において文献情報学部があり、このうち10大学修士課程がある。これらの大学の図書館情報学科は、「図書館・読書振興法」を推進する人材を養成するために教育内容の刷新を図っており、それを支える学内の情報処理センターの整備や図書館のデジタル化を進めている。 シンガポールは、1992年には「情報技術2000」という情報政策を発表し、それに基づき1994年には「図書館2000」という図書館政策を発表し、図書館サービスの改革を進めると共にそのための人材開発計画をまとめた。これらの国家政策を推進する人材を養成するために、大学、および総合技術専門学校において、図書館員を含む幅広い情報専門職、および情報準専門職を養成するためのカリキュラムの抜本的な改訂を進めており、それを支援する学内の情報支援サービスの刷新を図っている。 このように我々が訪問した3国とも情報技術を21世紀の国力の源泉としてとらえ、その情報専門職の人材養成方法の改善を急ピッチで進めていることが明確になった。
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