研究課題/領域番号 |
08041080
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
寺嶋 秀明 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10135098)
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研究分担者 |
DOUNIAS Edmo カメルーン国, 開発協力科学調査研究所(ORSTOM), 専任研究員
ENGOLA Oyep カメルーン国, 科学技術省, 専任研究員
佐藤 弘明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40101472)
伊谷 純一郎 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10025257)
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キーワード | カメルーン / 熱帯多雨林 / 狩猟採集 / 民族間関係 / 森林適応 / 焼畑農耕 / 共生 / 資源利用 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、カメルーン東南部ジャー川およびブンバ川流域の熱帯多雨林帯において、生態人類学ならびに文化人類学的観点から現地調査をおこなった。また、森林周縁部に位置する諸都市におけるマーケットを調べ、森林世界と外部世界との接点を把握した。また、連絡会議ならびに共同研究会を開催し、情報交換とデータの整理・統合をすすめた。 1) カメルーンのドンゴ村周辺においては、定住化した狩猟採集民バカ族と焼畑農耕諸民族さらに河川漁労民などの生業基盤の調査をおこない、民族ごとの環境利用と生業構造の変異を調べた。また、エスノヒストリーの調査、ならびに社会関係に関する調査を綿密におこない、民族間の共存構造を調べた。 2) 森林の野生食糧資源の生産力とその利用について継続して調査をおこなった。とくに森林に住む狩猟採集民にとってたいへん重要な食料である野生ヤムに焦点を当て、数量的データの獲得と、利用に関する民俗知識の収集をおこなった。 3) 森林地帯とサバンナ帯の境界に位置するヤウンデおよびベルトア周辺においてローカルマーケットの調査をおこない、森林資源と外部世界との結びつき、およびそれらを介しての都市と農村との人的交流について調べた。 4) 現地研究者を招へいし、多様な民族における森林利用の実態と民俗知識に関する共同研究をおこない、森林の利用がきわめて多面的かつ柔軟におこなわれており、これまでの「農耕」対「採集」、「栽培」対「野生」といった図式には収まりきらないことが明らかにされた。また、森林とサバンナ帯のエコトーンの重要性も明らかにされた。 5) バカ族の民族植物学的データおよび民族動物学的データの整理と分析をすすめ、順次、インターネット上で公開されている「AFlora(アフローラ)・データベース」に入力している。
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