研究分担者 |
勝俣 啓 北海道大学, 大学院理学研究科, 助手 (10261281)
宮町 宏樹 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (30182041)
三浦 哲 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (70181849)
木俣 文昭 名古屋大学, 理学部, 助手 (10089849)
瀬野 徹三 東京大学, 地震研究所, 教授 (10216567)
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研究概要 |
オホーツクプレート運動の検証のために、平成8年度から10年度まで、カムチャカ・サハリン・ハバロフスクにGPS観測点を順次設置し,それらの観測点において可能な限りの連続観測を継続した.それによると、まづ、オホーツクプレートの東側にアムールプレートの存在が明らかになり,アムールとオホーツクのプレート収束速度が従来考えられていたよりも数倍大きい約2cm/yであることを明らかにした.本研究から得られたサハリンの速度ベクトルデータから,サハリン南部ではモネロン島西方を通ると考えられていたアムールプレートの東の境界が、サハリン中軸部よりも東に存在し,サハリン南部から北海道北部にかけての陸域がアムールプレートとオホーツクプレートの衝突境界になっていることが明らかになった. 北サハリン地震震源域で各年において臨時地震観測を継続し、余震活動と地震断層の変位分布との関係を解析した結果,大きい変位を生じた場所のb-値は小さく、より大きな応力降下を示す場であったこと,地震断層の西側は、b-値は大きく破砕度のおおきい場が誘発的な地震活動を発生させたことが明らかになった. 南サハリンでの、1995年から毎年夏期の臨時地震観測によると、ユジノサハリンスクのすぐ西側に、活動的な地震帯が南北に連なっており、これは、北海道北部の地震活動帯の延長のように見え,これらの活動帯がオホーツクとアムールプレートの境界である可能性は高い. カムチャッカ半島内のGPS観測網は、1996・1997年に設置されたが,カムチャッカ半島中部での地震観測を含めて,この地域の、長期的・広域的な変動とプレート境界を明らかにするには期間が短く十分な結果は得られなかったが、データ蓄積・解析中であり,それにより,オホーツクプレートの運動が決定しつつある.
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