研究分担者 |
与曾井 優 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80183995)
丸山 浩一 東京大学, 原子核研究所, 助手 (50114658)
土岐 博 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (70163962)
須田 利美 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30202138)
岸本 忠史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90134808)
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研究概要 |
この研究では,8GeV電子蓄積リングでレーザー逆コンプトン散乱によって作られるマルチGeV偏極γ線をプローブとして用い,ハドロンやハドロン多体系(原子核)のクォーク構造,グル-ボール構造,マルチクォーク構造等の解明をする。これにより核子を含むハドロンおよびその複合系の構造を,基本的素粒子であるクォークの立場から理解することが目的である。本研究では特に8GeV電子蓄積リングでレーザー逆コンプトン散乱によって造られるマルチGeV偏極γ線をプローブとしてハドロン多体系の構造を解明することを目指している。 本年度は,その実験的研究を本科研費予定年度内に開始するためにブルックヘブン研究所,およびヨーロッパ軌道放射光研究所におけるレーザー設備と標識化装置を中心に調査を行った。特に安定に偏極γ線を取り出すためのレーザー制御法について,これら研究所スタッフと議論を行い,まだ達成されていない2GeV以上の偏極γ線生成に関する問題点を明確にした(丸山,前田,須田)。またこの装置を用いた実験を具体化するために,土岐,与曾井,岸本が米国および欧州において講演し現地の研究者と議論を行った。 光原子核反応からの生成粒子を検出するための測定装置建設を具体化するための調査は,現在GeV領域光子を用いた実験装置を持っているマインツ,ボン,ジェファーソン研究所(CEBAF)でおこなった,とくにジェファーソン研究所ではハイパー核に関する実験の具体的実験提案に関わり,今後の日本における実験での共同研究について話し合った。またジェファーソン研究所で建設が行われている,多種粒子発生や生成中間子崩壊事象を検出するための実験装置(CLAS)の建設状況も貴重な参考になった。 現在レーザー逆コンプトン法を用いた実験装置の開発が平成10年実験開始を目標に,大阪大学・京都大学・東北大学を中心に精力的に行われており今回の学術調査の結果が大きく反映されている。
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