研究分担者 |
ZANA Ndonton コンゴ地球科学研究センター, 所長, 教授
田中 聡 東北大学, 理学部, 助手 (60281961)
森田 裕一 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30220073)
笠原 稔 北海道大学, 理学部, 助教授 (40001846)
田中 和夫 弘前大学, 理工学部, 教授 (40003511)
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研究概要 |
1.ザイール東部・ニイラゴンゴ火山の火口内に継続的に存在する溶岩の湖の湖面上昇変化の光波測距儀を用いて準定期測量を実施した.活動開始した1994年8月以来湖面は118m上昇した.この間に供給されたマグマ体積は8600万m^3と推定された.平均噴出率は7,000kg/secであった.マグマの供給は現在停止し,噴火の危険性は無くなった. 2.ニイラゴンゴ火山に起源をもつ火山性微動のエピソードは1995年2月までに37回確認された.,火山性地震はニイラゴンゴの直下から東北麓にかけて空間的に集中して発生している事がわかった.地震の発生と溶岩湖活動には逆相関の関係が認められた. 3.ニイラゴンゴ火山のあるビルンカ火山群の火山活動について地球物理学,地球化学,地質学等の方面からこれまでの成果をまとめレビューを行った. 4.ケニアの大地溝帯を横断する7点の広域地殻変動観測GPS網をKenya Institute of Surveying and Mapping(KISM)と協力して設置し,1997年と1998年にGPS測量を実施した.しかし,測定回数が少なく地溝帯の変動を議論することができるデータはまだ得られていない. 5.アフリカ大陸下のマントル構造の特異性とその下部の地球核の状態を地震波の解析から調べた.その結果,(1)アフリカ大陸北西と南西のマントル最下部にS波速度が2%小さい低速度域が存在する.(2)内核のP波速度は,遅い地域と速い地域に東西半球に2分され,その境界線がアフリカ大陸直下を通っている事が明らかになった.(3)さらに,外核の減衰特性を調べ,P波のQ値が周波数の(0.55±0.07)乗に比例して増加する傾向にある事を見出した.(4)これらの結果をもとに,アフリカ大陸下のマントル構造の不均質性とダイナミクスの関係を考察した.
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