1997 年度実績報告書

チベット高原におけるエネルギー・水循環過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号	08041094
研究機関	筑波大学
研究代表者	安成哲三筑波大学, 地球科学系, 教授 (80115956)
研究分担者	太田岳史岩手大学, 農学部, 助教授 (20152142) 塚本修岡山大学, 理学部, 助教授 (40027298) 上野健一滋賀県立大学, 環境学部, 助手 (00260472) 小池俊男長岡技科大学, 工学部, 助教授 (30178173) 石川裕彦京都大学, 防災研究所, 助教授 (60263159)
キーワード	チベット高原 / 水循環 / エネルギー / 凍土 / 熱収支 / モンスーン / GAME
研究概要	チベット高原での大気・地表面系におけるエネルギー・水循環過程の観測的研究の一環として、高原中部のメソスケール観測領域にて、自動気象観測システム、境界層タワー、3次元ドップラーレーダ、高層ゾンデなどによる観測網を設置し、夏季を中心に、地表面熱収支、大気境界層の構造と時間変化、対流圏での雲・降水過程の予備的な観測を行った。その結果、顕熱を中心とする地表面熱収支の大きな日変化に対応して、大気境界層と上空10数キロに至る対流圏での大気構造に顕著な日変化が存在すること、圏界面にまで達する活発な対流活動とそれに伴う降水が特徴的な空間構造を持って組織化することなど、興味深い新たな知見が得られた。雲、降水の広域的な特性についても、現地観測データとGMSなどの気象衛星データを用いて、詳しい解析を行った。また、広域地表面からの熱フラックス測定のための気圧計観測網についての地点調査も行った。さらに、人工衛星からのマイクロ波放射計による輝度データを用いて、高原全体の土壌水分、積雪水量の情報を得るアルゴリズムの開発と解析を行うと同時に、上記メソスケール観測領域にて、グラウンドトゥル-スとして、土壌水分量およびマイクロ波誘電率の綿密な測定を広範囲に行った。また、永久凍土ついても観測システムを展開し、広域での鉛直構造とその季節変化に関するデータを取得した。これらのデータを用いて、気候、水文モデルにおける凍土のパラメタリゼーションを行い、凍土地域特有の熱・水の相互作用を含む地中での熱・水フラックスのシミュレーションが可能になった。

研究成果
(7件)

すべてその他

すべて文献書誌 (7件)

[文献書誌] Tian, S.-F.and T.Yasunari: "Climatological Aspects and Mechanism of Spring Persistent Rains over Central China. J. Meteor." J. Meteor. Soc. Japan. 76. 57-71 (1998)
[文献書誌] 谷田貝亜紀代、安成哲三: "タクラマカン砂漠周辺の降水と水蒸気輸送場の経年変動" 地学雑誌. 106. 260-269 (1997)
[文献書誌] Ueda, H. and T.Yasunari: "Maturing Process of the Summer Monsoon Over the Western North Pacific ---A Coupled Ocean/Atmosphere System." J. Meteor. Soc. Japan. 74. 493-508 (1996)
[文献書誌] Kuwagata, T. and F.Kimura: "Daytime boundary layer evolution in a deep valley. Part II : Numerical simulation of the cross-valley circulation." J. Appl. Meteor.36. 883-895 (1997)
[文献書誌] Kuwagata, T,: "An Analysis of Summer Rain Shower over Central Japan and its Relation with the Thermally Induced Circulation." J. Meteor. Soc. Japan,. 75. 513-527 (1997)
[文献書誌] 安成哲三: "気候システムの年々変動におけるモンスーンの役割-Role of Monsoon on the Interannual Variability of Climate System--" 海と空. 74. 31-40 (1996)
[文献書誌] 住明正・安成哲三・山形俊男・増田耕一・阿部彩子・増田富士雄・余田成男: "岩波講座地球惑星科学11 気候変動論" 岩波書店, 265 (1996)

1997 年度 実績報告書

チベット高原におけるエネルギー・水循環過程の研究

研究代表者

安成 哲三 筑波大学, 地球科学系, 教授 (80115956)

研究成果

[文献書誌] Tian, S.-F.and T.Yasunari: "Climatological Aspects and Mechanism of Spring Persistent Rains over Central China. J. Meteor." J. Meteor. Soc. Japan. 76. 57-71 (1998)

[文献書誌] 谷田貝 亜紀代、安成 哲三: "タクラマカン砂漠周辺の降水と水蒸気輸送場の経年変動" 地学雑誌. 106. 260-269 (1997)

[文献書誌] Ueda, H. and T.Yasunari: "Maturing Process of the Summer Monsoon Over the Western North Pacific ---A Coupled Ocean/Atmosphere System." J. Meteor. Soc. Japan. 74. 493-508 (1996)

[文献書誌] Kuwagata, T. and F.Kimura: "Daytime boundary layer evolution in a deep valley. Part II : Numerical simulation of the cross-valley circulation." J. Appl. Meteor.36. 883-895 (1997)

[文献書誌] Kuwagata, T,: "An Analysis of Summer Rain Shower over Central Japan and its Relation with the Thermally Induced Circulation." J. Meteor. Soc. Japan,. 75. 513-527 (1997)

[文献書誌] 安成 哲三: "気候システムの年々変動におけるモンスーンの役割-Role of Monsoon on the Interannual Variability of Climate System--" 海と空. 74. 31-40 (1996)

[文献書誌] 住明 正・安成 哲三・山形 俊男・増田 耕一・阿部 彩子・増田 富士雄・余田 成男: "岩波講座 地球惑星科学11 気候変動論" 岩波書店, 265 (1996)

1997 年度実績報告書

安成哲三筑波大学, 地球科学系, 教授 (80115956)

[文献書誌] 谷田貝亜紀代、安成哲三: "タクラマカン砂漠周辺の降水と水蒸気輸送場の経年変動" 地学雑誌. 106. 260-269 (1997)

[文献書誌] 安成哲三: "気候システムの年々変動におけるモンスーンの役割-Role of Monsoon on the Interannual Variability of Climate System--" 海と空. 74. 31-40 (1996)

[文献書誌] 住明正・安成哲三・山形俊男・増田耕一・阿部彩子・増田富士雄・余田成男: "岩波講座地球惑星科学11 気候変動論" 岩波書店, 265 (1996)