研究課題/領域番号 |
08041095
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
指田 勝男 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (60134201)
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研究分担者 |
PINYA Charsu チュロンコーン大学, 講師
APSORN Ampon タイ国地質調査所, 主任研究員
NIKORN Nakor タイ国地質調査所, 地質部長
安達 修子 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80182997)
上野 勝美 筑波大学, 地球科学系, 講師 (90241786)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | Tethys / Gondwana / Radiolaria / siliceods rock / terrasle |
研究概要 |
平成8年及び9年度で本研究代表者が訪れ採取した、タイ国西部のカンチャナブリ地域及び南部のチャナ地域に分布する従来吉生代前期及び中期とされていた珪質岩から、中生代三畳紀の放散虫化石を得ることができた。この発見はShan-Thai BlockとIndochina Blockの衝突時期を解明する上できわめて重要な意義をもつ。すなわち、両大陸に挟まれた古テ-チス海の沖合い深海で堆積したと考えられるチャート層が確実に中期三畳紀まで存在したことを示すものであり、両大陸の衝突は中期三畳紀以降であることが明らかとなった。また、このチャート層内に含まれる放散虫はヨーロッパ南東部、日本を含めた極東地域、フィリッピンおよびインドネシアチモール島から産する放散虫ときわめて類似しており、当時(今から2億3千万年前)のこれら各地域(後に付加体堆積物の構成要素となるため、当時の堆積した位置)には同一の海流系が支配していたものと考えられる。また、従来報告されている高緯度地域(シベリア・ニュージーランド)の放散虫動物群と比較して、三畳紀にはすでに放散虫の2極分布の存在していたことが明らかとなった。また、南部のチャナ地域に分布する細粒珪質岩から保存良好な前期石炭紀放散虫が識別された。これら放散虫はこれまでに、北西ヨーロッパ、極東、北米中央部地域の一部から報告があるのみで、石炭紀の放散虫古生物地理を復元する上で重要である。また、この地域には前述の三畳紀チャート層や石灰岩層等及び蛇紋岩やオフィオライト等が存在し、2つの大陸の衝突に伴い形成された付加体コンプレックスと考えられる。 以上は2年間にわたる本研究の成果の一部である。昨年末に採取した試料が未だ未処理であり、これらの研究が進展すれば、本研究の当初の目的は十分に達成されるものと確信する。
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