研究課題/領域番号 |
08041099
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高野 穆一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90012426)
|
研究分担者 |
TJETJEP Wimp インドネシア火山調査所, 所長
FAZLULLIN Se ロシア科学アカデミィ付属, カムチャッカ火山研究所, 主任研究院
BERNARD Alai ブラッセル自由大学, 地球科学科, 教授
杉森 賢司 東邦大学, 医学部, 講師 (30130678)
大場 武 東京工業大学, 草津白根火山観測所, 助手 (60203915)
鈴木 勝彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70251329)
|
キーワード | 火口湖 / インドネシア / イジェン / 測深 / 火山ガス / 噴火 / ポリチオン酸 / 強酸性 |
研究概要 |
1.はじめに インドネシアのKawah Ijen火山湖は世界最強の酸性湖であり(pH=0.2)、噴火泥流災害の危険性がもっとも高い湖の一つである。この研究では噴火予知の観点から、次のような現地調査を行った。 2.調査組織 日本人4名,ロシア人1名,ベルギー人1名,インドネシア1名の計7名で行った。 3.調査実施状況 平成8年7月4日〜7月6日まで群馬県草津白根火山湯釜火口湖で携行ボ-トの組立ておよび操船訓練と帯行機器類の動作試験を実施した。 平成8年7月26日〜8月17日の期間に、ジャワ島Kawah Ijen火口湖周辺にキャンプを設営し、以下の観測を行った。 (1)音響測深器による湖盆形態の観測 (2)各深度別採水と温度測定 (3)各深度における溶存火山ガスの測定 (4)湖底溶融硫黄の温度測定と試料採取 (5)火山ガスの温度測定および試料採取 (6)水素,酸素同位体測定用河川、淡水湖水の採取 4.調査結果(暫定) 現時点での最深度は165mであり、オランダ植民地時代の測定による200mよりもかなり浅くなっている。湖水面は近年約5m下がり、湖底噴気活動も弱いせいか、湖底噴気吼周りの溶融硫黄溜りは火口湖の規模とこれまでの活動と比較して、大へん小さくて押さえられているように見える。湖水の溶存ガスは二酸化硫黄が主体であり、硫化水素は表面水を除いて検出限界以下であった。このことは湖底噴気の二酸化硫黄・硫化水素比が0.7以上であることを示唆している。湖水の化学分析は現在続行中であるが、予察的データではポリチオン酸濃度は合計700〜800ppm程度であった。 インドネシア科学者の日本招へい メラピ火山観測所員1名と2週間日本に招き、草津白根火山,箱根火山および東工大、神奈川県の研究所の視察を行った。また特殊化学分析の実地研修を行った。
|