研究分担者 |
橋口 浩之 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (90293943)
北 和之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30221914)
西 憲敬 京都大学, 理学研究科, 助手 (00222183)
松本 淳 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (80165894)
濱田 純一 京都大学, 超高層電波研究センター, 日本学術振興会特別研
|
研究概要 |
本研究の目的は,インドネシア気象庁(BMG)が手書きやタイプ打ちで保管している雨量などの気象観測資料を過去約30年分収集してデジタル化し、有効性(連続性・信頼度)の検討を踏まえて一般的利用可能な数値データベースとし,インドネシア域の気候学的“空白"領域を埋めることであった. 1年次(平成8年度)には,まずBMG本庁と10ケ所の地方官署に出張し,各地における観測実施状況(精度・連続性・記録方法など)を調査した.また技術評価応用庁(BPPT)において,気象データの公開に関する合意書を締結した.次にBMG本庁で保管しているデータの中から、160地点の30年間(1961〜90)の日雨量についてデジタル化を開始した.並行してデータの信頼性などの検討を,BPPT,バンドン工大(ITB),京大,東大などで行った.2年次(本年度)には,前年度収集した資料の欠測部分などを原簿等で補完・修正するとともに,部分的に60年以前や90年以降に拡張した.また西ジャワや西スマトラなどについて,時間雨量や気圧・気湿などの資料をBMG以外によるものを含めて集めた.これらの収集データは京大とBPPTの計算機上に置き,東大やITBなどの分担者とともに解析した. これまでに得た成果としては,雨量の季節変化が,南半球側(ジャワ・バリ・小スンダ),赤道直下西部(スマトラ・カリマンタン),赤道直下東部(スラウェシ・西イリアン)に区分できることの確認,雨季の開始・終了が気象衛星雲観測の推定よりやや早い傾向があること,エルニーニョ年における雨季の遅れや少雨,その前年における多雨に関する定量的(統計的)評価,それらの雨量の増減が季節内変動(30〜60日周期)や波動状雲団(約20日,約4日等)の活発化を通じて起こっていること,などがある.
|