研究課題/領域番号 |
08041112
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 助教授 (90167536)
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研究分担者 |
吉田 賢二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 助手 (90271361)
柏木 利介 神奈川大学, 工学部, 専任講師 (40202006)
山上 隆正 , 文部省・宇宙科学研究所, 助教授 (40013718)
笠原 克昌 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (00013425)
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研究期間 (年度) |
1996
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キーワード | 電子 / 高エネルギー / 宇宙線 / シンチファイバー / 加速器テスト / 気球観測 |
研究概要 |
これまで気球による宇宙線電子成分の観測に用いた観測装置を、スイス連邦ジュネーブ市にある欧州共同原子核研究所(CERN)に輸送し、観測と同じエネルギー領域(5GeV〜100GeV)の電子ビームに照射して装置のキャリブレーションをおこなった。この装置はシンチレーションファイバーを用いたイメージ・カロリメータでシャワーの3次元的発達の様子から電子の選別とエネルギー測定を同時に行う新しい原理にもとずく装置である。ビームテストはCERNとWest AreaにあるT1/X5のテストビームラインを用いて、1996年の9月6日から9月18日の13日間行なった。この間に、約20万例の電子をさまざまな条件で装置に照射し、得られた約5GBytesのデータはすべてテープに記録した。実験の実施にあたっては、装置を載せる移動式架台や装置の搬入、移動作業にCERN側の全面的協力がえられスケジュール通りの実験が行われた。当初は電子ビームのテストのみを予定していたが、3日間の予備日が利用可能となりハドロン(パイ中間子)の予備的テストも行なうことができた。 これまでのデータ解析により、以下のような装置性能が確認されている。 ・シャワーの広がり利用した電子選別性能:気球観測データと一致。 ・エネルギー分解能:15〜18‰ ・シャワー軸の再現精度(角度分解能):約1度。 以上の解析結果をもとに、気球観測データを用いた電子のエネルギースペクトルの結果が求まっている。これらの内容は、国内外の会議ですでに発表している。 平成9年度おこなった陽子ビームによるテストの解析結果を待って陽子除去率の確定を行ない、さらに除去率の高い装置製作のための基礎データを得る予定である。
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