研究課題/領域番号 |
08041119
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
斎藤 英俊 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (30271589)
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研究分担者 |
江面 嗣人 文化庁, 文化財保護部, 文化財調査官
木村 勉 奈良国立文化財研究所, 建造物研究室, 室長 (60280608)
西村 幸夫 東京大学, 工学部, 教授 (20159081)
伊東 孝 日本大学, 理工学部, 教授 (30287578)
宮澤 智士 長岡造形大学, 造形学部, 教授 (10000473)
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キーワード | ブ-タン / チベット / 国際協力 / 文化財 / 歴史的建造物 / 仏教寺院 / 民家 / 城郭 |
研究概要 |
1997年9月中国・チベットにおける調査:調査は日本からの調査隊4名で実施した。ラサ、シガツェ、ギャンツェの寺院7ヵ所等の調査を行った。その結果、16世紀以前のヒマラヤ地域の建造物の発展過程や、ブ-タンの建造物の形態、技法、意匠等におけるチベットの影響、ブ-タンで独自に発達した形態や意匠などが明らかとなった。 1998年1月ブ-タンにおけるインベントリ-作成調査:ブ-タン政府文化特別委員会の調査として、工業専門学校生を使って、ティンプー、パロ、ハ3県に所在する寺院のインベントリ-作成の調査を行った。内容は、所在地、創建年代、由緒、寺院建築の構成、建築年代、改造の歴史などである。約300件の寺院の調査が行われ、ブ-タンの寺院建築の基礎資料が得られた。 1998年2〜3月ブ-タンにおける調査:調査は日本からの調査隊12名に、ブ-タン政府文化特別委員会の建造物修復技術者2名を加えた14名で実施した。調査地点はプナカ、ウォンディポダン両県に所在する寺院8ヶ所の詳細調査で、内容は所有者等(主に寺院居住のラマ僧または村の古老)への寺院の歴史・由来・建立年代等の聞き取り、寺院境内の配置図、平面・断面の実測、構造技法調査、改変等の痕跡調査、細部意匠調査および写真撮影、摺り拓本の採取等であった。これらの調査の結果、ブ-タンにおける寺院建築の構造技法の特色、時代による平面・空間および用途の変遷過程がほぼ判明し、柱頭の金襴巻、斗、肘木などの彫刻や絵様の年代変化による編年指標作成の見込みも得られた。これらの成果によって、ブ-タンの寺院史の記述や文化財的価値の判定が可能となり、ブ-タンにおける歴史的建造物の文化財としての保護の基礎を築くことに貢献できる。
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