研究分担者 |
OIKAWA Teiic パラ連邦大学, 熱帯医学研究センター, 助教授
高橋 敬雄 新潟大学, 工学部, 教授 (70134955)
横山 道子 東京大学, 環境安全研究センター, 助手 (90280940)
鶴田 俊 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (90197773)
尾張 真則 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (70160950)
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研究概要 |
1.アマゾン川の代表的な支流であるタパジョス川流域の漁村での水銀汚染調査を継続して行った。漁村についての調査結果は、以下のとおりであった。括弧内に{毛髪中水銀値の算術平均値、標準偏差}を示す。単位は、μg/g。 Barrairas(1994){20.5,12.1}、Barrairas(1995){17.7,12.1}、Barrairas(1996){18.5,12.5}、Raiha(1994){19.3,9.7}、Raiha(1995){15.9,6.2}、Sao Luiz do Tapajos(1996){25.3,12.5}、Parana Mirim(1996){9.2,2.9}。 2.一方、都市やgarinpo(金採掘現場)の居住者の毛髪中水銀値は2.0〜4.1と低く、はっきりと魚を介在したメチル水銀蓄積の様相を呈した。金採掘労働者や都会居住者のリスクは極めて小さく、アマゾン水系の魚を多食する漁民のリスクが大きい。 3.Barrairasにおける、3年間のデータを基に人の健康へリスクを計算すると、知覚障害リスクで4.1%であった。 4.妊娠可能年齢の女性(20〜39才)について、出生児の歩行開始が遅れる割合を推定した。試料数が少なく、統計的に扱うことはできないが、Barrairasでは、10〜17%であった。3.のリスクは大きくはないが、4のリスクは注意を要するレベルである。
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