研究課題/領域番号 |
08041127
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中川 武 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063770)
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研究分担者 |
西本 真一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10198517)
中沢 信一郎 早稲田大学, 理工学部, 助手 (70287978)
松本 修自 国立東京文化財研究所, 修復技術部, 室長 (80099960)
白井 祐泰 共栄学園短期大学住居学科, 教授 (40258926)
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60139516)
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キーワード | ユネスコ世界遺産 / 王宮 / グエン朝 / ヴィエトナム / 修復・保存 / 東南アジア / 東アジア / 設計技術 |
研究概要 |
1.本年度の研究実績 本年度は、トゥアティエン省フエ市に現存するグエン朝城郭都市の宮殿建築を対象に、第三次調査(夏期一ヶ月)、及び第四次調査(春期一ヶ月)を行った。 第三次調査においては、都城中央南部に位置する皇城内の一区画である延壽宮区の配置図を作成するために実測調査を進めた。実測値の寸法分析の結果、紫禁域の配置計画と同様に、一尺あたり425mmを基準に計画が為されていた可能性が認められる。また、同時に、延壽宮正殿についての平面図、立面図、断面図の作成のために実測を行い、基準寸法の分析を試みた。 その他、宮殿建築床部に残る装飾タイルについての調査を進め、分類・整理を試みた。その結果、内部床装飾は、幾つかの基本的パターンに還元され、その組合わせの相違によって多彩な細部様式を生み出している事が判明した。 第四次調査においては、延壽宮正殿、世廟、肇廟、興廟等の単体の宮殿建築の実測調査を進め、平面・立面・断面等の設計方法の解明という視点から基準寸法の分析・考察を試みた。その結果、肇廟、興廟については、身舎柱の内転びが設計手法として認められ、そのことから基準寸法も柱頭間の長さ、もしくは大梁の長さを基準として設計が行われている可能性が高い。併せて、大工等伝統的技術保持者への聞き取り、大工道具等の分類・整理を行った。その結果、木造架構の仕口・継手・組手において、構造的負荷の大きい箇所とそうでない箇所に大別して、接合部の設計が基本的に異なることが判明した。 本研究は、1994年より継続的に進められ、日本建築学会大会梗概集(1995年〜1997年)に研究成果の一部が記載されている。
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