研究分担者 |
AGUNGPRIYONO スリハディ インドネシア国立ボゴール農業大学, 獣医学部, 講師
RERKAMNUAYCH ウヲラウット タイ国立カセサート大学, 獣医学部, 副教授
本道 栄一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (30271745)
遠藤 秀紀 国立科学博物館, 動物第一研究室, 文部技官 (30249908)
木村 順平 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (30177919)
川本 芳 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (00177750)
九郎丸 正道 東京大学大学院, 農学生命科学研究科, 助教授 (00148636)
林 良博 東京大学大学院, 農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
庄武 孝義 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (00003103)
西田 隆雄 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20023426)
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研究概要 |
平成8年11月から平成9年1月にかけて,タイ,ラオスおよびインドネシアでツパイの情報収集と捕獲を行い,これまでにインドネシアで40匹,タイで50匹,ラオスで100匹のツパイから採材した。初年度としては十分な動物を捕獲できた。また,インドネシアのボゴール動物博物館所蔵のツパイの頭蓋,合計100個以上の計測を実施し,生態に基ずく種差を明らかにすべく研究を進めている。まだ帰国して期間も経っておらず,ほとんど成績が出る所まで至っていないが,現在,研究分担に基づいて鋭意研究を進行中である。ツパイ以外にマメジカ,バンブ-ラットやオオコウモリなど興味ある貴重な動物を入手できたので,これらについても研究を拡大したい。 しかしミトコンドリアDNAの分析結果が少し出ているのでそれの紹介をしたい。インドネシアで採集したツパイの遺伝的特性を調べるため、ミトコンドリアDNAの個体変異を分析した。Dループ領域を含む約2kbのミトコンドリアDNA遺伝子をPCRで増幅し、各種の4塩基認識酵素で消化したのち、電気泳動法でDNA断片を分離し、銀染色で判定した。この結果、中部ジャワと東部ジャワの2地域のミトコンドリアDNAの構造には明瞭な差があり、両者が遺伝的に大きく分化をとげているとの証拠が得られた。また、タイで採取したコモンツパイの構造とも大きく異なるとの結果が得られつつある。一方、同一地点で採取した試料にみられる個体変異は乏しく、多くの制限酵素で切断パターンの相違は認められなかった。 次ペイジの10.研究発表は本年度研究のものではないが,本研究の研究代表者および研究分担者によるツパイに関する研究報告である。
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