研究分担者 |
瀬戸口 浩彰 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (70206647)
村上 哲明 京都大学, 理学研究科, 助教授 (60192770)
西田 治文 中央大学, 理工学部, 教授 (30164560)
植田 邦彦 金沢大学, 理学部, 教授 (60184925)
朝川 毅守 千葉大学, 理学部, 助手 (50213682)
|
研究概要 |
本研究では南米地域およびオセアニア地域にまたがって分布する分類群,ならびにそれぞれの地域で独自に分化した分類群について,分子系統学的解析,比較形態学的解析ならびに化石の解剖学的解析を行い,ゴンドワナ要素植物の分化や分散の過程を明らかにした.伊藤は南半球全域に分布するヒガンバナ科について包括的に分子系統解析を行い,アフリカに起源したこと,地域毎に分化していることを突き止めた.植田は南米に固有のゴモルテガ科の系統解析を行った.瀬戸口は代表的ゴンドワナ植物である南ブナ科とナンヨウスギ科について包括的に系統解析を行った.南ブナ科は花粉形態に対応した単系統群が認識されることがわかった.ナンヨウスギ科は各属が単系統となるが,属内での塩基置換が少なく特にニューカレドニアに分布する多数の種はごく最近分化したことが示唆された.村上はニューカレドニアのホウビシダ科について系統解析ならびに形態変異の解析を行った.西田はオーストラリアのホームベル産のグロッソプテリスの鉱化化石を調査して,雌雄の生殖器官を解剖学的に研究し,受粉戦略を推定した.朝川はニューカレドニアに分布する南ブナの材及び殻斗を解剖学的に研究し,第三紀の鉱化化石と比較することにより,現在ニューカレドニアに分布する分類群の祖先がかつて南米に居た可能性を示した.さらにゼンマイ科,マキ科,ヒノキ科,ユウクリフィア科や南ブナに寄生するミゾデンドロン,キッタリアについて系統解析ならびに解剖学的研究が進められている.
|