研究課題
本年度の現地調査はコンソ遺跡群における野外調査約60日間と準備・博物館調査約50日間からなった。地質調査としてはコンソ遺跡群の周辺部の層序の組み立てを中心に行ったが、遺跡群中心部のKGA4、KGA11の層序の再評価をも行った。また、KGA4とKGA6の先史考古発掘サイトの堆積学的評価を行った。分析サンプルとしては火山灰115点、珪藻土4点などを採集し、これらはEPMAによる主成分分析、微量元素分析、Ar/Ar年代測定などに用いている。古生物調査はKGA4、KGA5、KGA6E、KGA7、KGA11、KGA17、KGA18などで系統だった採集活動を遂行し、約800点の同定可能な哺乳動物化石標本を得た。この中には人類化石1点が含まれる。これらの標本についてはコンソ出土の他のものと一括して予備段階の整理、分類群同定、形態分析をエチオピア国立博物館にて行った。また、本年度は動物相全体についてより高度な標本整理を進め、四肢骨の同定分類、ウシ科歯牙標本の族レベルの同定分類などにおいて格段の進展をみせた。また、より専門的な比較研究をも適時、進めた。先史学調査としてはKGA4A3およびGA6A1の各サイトで比較的大規模な発掘を遂行した。双方のサイトで豊富な石器および動物骨がin situで得られ、今後の分析対象となる。特に、大規模なin situ資料の獲得に成功した意義は大きい。
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