研究課題/領域番号 |
08041138
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
諏訪 元 東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (50206596)
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研究分担者 |
加藤 茂弘 兵庫県立人と自然の博物館, 地球科学部, 研究員 (50301809)
三枝 春生 姫路工業大学, 自然環境科学研究所, 助手 (70254456)
仲谷 英夫 香川大学, 工学部, 助教授 (20180424)
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キーワード | 人類進化 / 東アフリカ / アウストラロピテクス / 層序 / アシューリアン |
研究概要 |
本年度の現地調査はエチオピア国立博物館における標本調査約30から120日、コンソ遺跡群とウェイト地区における野外調査約15日からなった。地質調査としてはコンソ遺跡群にて層序の不明部を明らかにすると共に、年代学的枠組みの精度を向上する目的で、古地磁気サンプルを主として二地点で採取した。採取サンプルはコンソでは古地磁気サンプル約180点と化学分析を目的とした火山灰サンプル約15点、ウェイト地区では年代測定用の玄武岩サンプル2点である。後二者はEPMAによる主成分分析、DCP-AESによる微量元素分析、Ar/Ar年代測定などに用いる予定である。古生物調査は博物館調査を主としたが、コンソの野外調査では保存良好なボイセイ猿人の下顎骨を含む6点の標本を採集・発掘し、ウェイト地区ではサイの化石一点を採集した。標本調査はイノシシ科、ウシ科、ゾウ類を中心に推進し、ウシ科ではアルセラアフス族の新種を確認し、イノシシ科では属・種レベルでの同定を最終確認すると共に、コルボケルス・メイジャスの出自に関する新たな知見を得た。人類化石の標本調査としては、440万年前のラミダス猿人の歯牙標本群全ての同定、記載作業を進め、今後の本格的な形態学的解析の基盤を整備した。また、アワツシュのハタ層より出土した約250万年前の猿人標本の形態学的解析を進めた。先史学調査としては、主要層順の表面採集標本による石器テクノロジーの変遷の調査を進め、コンソの上層部において、アシューリアン文化期初期に相当する大型石器の他に典型的なハンドアックスが出土することを明らかにした。
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