研究分担者 |
WISESSANG Su タイ, チュラロンコン大学・理学部, 助教授
HOI Nguven C ヴェトナム, ハイフォン海洋研究所, 所長
NOOR Normawa マレーシア農科大学, 科学環境学部, 助手
ANTON Ann マレーシア, サバ大学・科学技術学部, 助教授
MARASIGAN Ar フィリピン大学, 水産学部養殖研究所, 助教授
WIADNYANA Ng インドネシア国立海洋研究所, 研究官
FURIO Elsa フィリピン水産資源局, 主任研究官
岡本 研 東京大学, 農学部, 助手 (20160715)
岩槻 幸雄 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60213302)
緒方 武比古 北里大学, 水産学部, 助教授 (00104521)
石丸 隆 東京水産大学, 教授 (90114371)
松岡 數充 長崎大学, 教養部, 教授 (00047416)
児玉 正昭 北里大学, 水産学部, 教授 (40050588)
越智 正 香川大学, 農学部, 教授 (00035990)
堀 繁 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (90143403)
田中 學 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70012028)
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研究概要 |
赤潮や有毒渦鞭毛藻の発生あるいは魚貝類の毒化が報告されているインドネシア、マレーシア、フィリピン、パラオ、及び発生が危惧されているバミューダ諸島、ヴェトナムにおいて、本調査の必要性の有無を調べる目的で、現地研究者と共に有毒種の分類と分布、魚貝類毒化と中毒事件発生の現状について予備的調査を行った。また、フィリピンより研究者を招聘し、東京大学と長崎大学においてシストの同定と分類作業を共同で実施した。 インドネシアでは、スマトラ島とジャワ島で調査を行ったが、有毒渦鞭毛藻のPyrodinium behamense,Cochlodinium polykrikoides,Gymnodinium mikimotoi,及びラフィド藻のChattonella marinaが発見された。また、水質が富栄養化してクロロフィル量が高いことが確認され、近い将来に大規模に発生する可能性が示唆された。マレーシアではマラッカ海峡沿岸域で有毒渦鞭毛藻Gymnodinim catenatumとAlexandrium tamiyavanichii、カリマンタン島のサバ沿岸でP.behamenseが認められ、特にサバ沿岸では広い範囲にわたって毎年貝類毒化が起こっていることも分かった。フィリピンでは1986年以降毎年麻痺性中毒事件が発生しており、有毒プランクトンの発生に広域化長期化の傾向が見られていた。このため、幾つかの海域ではすでに漁民に海産物に頼ることができないとの諦観があり、有毒プランクトンの問題が社会生活に大きな影響を与えていることがわかった。パラオにおいては、大量の有毒渦鞭毛藻P.bahamenseを採集することができ、培養株も作成できた。バミューダ諸島では有毒底生性渦鞭毛藻Prorocentrum limaを採集することができ、培養株も作成できた。ヴェトナムでは、有毒種の発生は直接確認できなかったが、プランクトン組成と水質から発生の可能性が高いことがわかった。 これらの結果から、インドネシアなど東南アジア諸国における本格的調査の必要性が強く認められた。
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