研究課題/領域番号 |
08041142
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片山 一道 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70097921)
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研究分担者 |
OTTINO P. ORSTOM, 考古学部門, 研究員
ULIJASZEK S. ケンブリッジ大学, 生物人類学教室, 講師
南川 雅男 北海道大学, 地球環境科学研究科, 教授 (10250507)
柴田 紀男 天理大学, 国際文化学部, 教授 (60122363)
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キーワード | イ-スタ島 / クック諸島 / ニュージーランド / 先史ポリネシア人 / 身体特徴 / 古人骨資料 / 生物人類学 / 安定同位体分析 |
研究概要 |
前年度に引き続いて、各種の現地調査を実施することによって、本研究を推進するための原資料を収集することを最大の目標とした。クック諸島で新たな古人骨資料と方言の語彙資料を集めるだけでなく、イ-スタ島でも古人骨資料と安定同位体分析用およびC14年代測定用資料を収集し、ニュージーランドで古人骨の比較資料を調査することを計画したが、当初の計画は完全に実行できた。もっとも特筆すべきはイ-スタ島で得た研究成果である。倒壊したモアイ像を利用して埋葬された古人骨資料を合計20体分ほど発見することができ、それらの肉眼検査を行い、それぞれを物理化学的に分析するためのサンプルを収集することに成功した。まだ予報的なことしか言えないが、先史イ-スタ島人が先史クック諸島人などと非常に相似していたこと、これまでに想定されていたよりもモアイ像の倒壊年代が早いことなどを示唆する分析データが既に集まっている。クック諸島では洞窟の先史埋葬遺跡から新たに10体分の古人骨を発見し、ニュージーランドではポリネシアの各地に由来する50体分ちかくの古人骨が調査できた。これら収集資料は現在、片山や南川の研究室で分析中である。まだ詳細な結果は出てないが、ヨーロッパ文化と接触をはじめる直前のポリネシア人の身体特徴を解明するのに必要な生物人類学や地球環境科学方面のデータが十分に得られたのは間違いない。その他、ようやくマンガイア語の辞書作成作業が最終段階に近づいてきた。
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