研究課題
本研究は、系統学的研究から広範な地域の材料を収集し、さらに生理学上の実験動物として取り扱う関係上、より多く個体数の得られる地域を探索することを目的としている。得られた材料をもとに、系統学的研究はもとより、生理学的な研究、すなわち生体を用いて、中枢および抹消神経系およびニューロンの組織学、電気生理学的研究などを行い、節足動物への進化の原始形をもつモデル研究動物として確立したいと考えているのである。第1回の調査は、アメリカ合衆国プエルトリコ、トリニダード・トバゴ、ならびにジャマイカで行なった。調査隊は山崎、桑沢で構成し、1996年10月8日から10月20日までの期間で調査を行なった。これまでの調査でプエルトリコ、ならびにトリダード・トバゴではわれわれの手で採集されているが、かならずしもよいポイントで採集しているわけではないので、より精密な調査を行なうということ、またジャマイカでは新たな採集地点を探索するということで調査に入った。この結果、ジャマイカで西インド大学医学部のR.Young博士の協力のもとかなりよい成果をあげることができた。得られたものは現在厳重な管理のもと飼育中である。第2回の調査は、予算の関係上アメリカ合衆国プエルトリコ、ジャマイカ、ドミニカで、1997年3月4日から3月17日までの期間で行なった。調査隊は山崎、桑沢の2名で構成し、まずプエルトリコで現地調査をするとともに、情報を集め、それからジャマイカ、ドミニカに入った。ジャマイカでは前期R.Young博士の協力のもはなはだよい成果をあげ、材料を日本にもち帰ることができた。以上の成果により今後、日本における研究が実れば、よい成果を上げられるのではないかと考えている。
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