研究課題/領域番号 |
08041157
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
穴瀬 真 東京農業大学, 地球資源環境研究センター, 学術研究員 (80015619)
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研究分担者 |
中村 武久 東京農業大学, 農学部, 教授 (60078136)
石原 邦 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70014925)
藍 房和 東京農業大学, 農学部, 教授 (20014920)
原 道宏 岩手大学, 農学部, 助教授 (80003763)
安富 六郎 東京農業大学, 農学部, 教授 (10011892)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 北タイ / 傾斜地栽培 / 農業システム / アグロフォレストリー / 農村開発 / 太陽エネルギー / 作物の導入 / 畑地の潅漑と排水 |
研究概要 |
この研究の端緒となったのは、1994年1月にタイ国ナレスアン大学(Naresuan University,Phitsanulok in Thailand)のスジン学長(Professor Dr.Sujin Jinahyon)が東京農業大学の杉二郎先生にタイ国北部のこの地の発展のために共同研究を申し込まれたときであり、本研究はその時に始まったといえる。この地区は森林伐採や無秩序な焼畑農業の進行によって広大な土地が荒廃したまま放棄されていた。この点を憂慮したスジン学長は背景とカオコー(Khao Kho)試験場において必要な研究課題を明らかにした。この課題を杉先生はHill Side Farmingと名付け、その基礎的方向を示した。この土地の大半は緩やかな丘陵地で、山地の林木は焼畑にあって大木は無く、表土は侵食されて荒れ地がパッチ状に残されている。年間降水量は少なく、約800mmで不足がちである。この土地の貯水池と用水路は低地の水田および都市用のものでしかなく、山岳・高地から低地に至る中間の緩い丘陵あるいは傾斜地帯および一般の畑地を対象とした利水問題は未解決である。山地の森林は焼畑により消滅しかけており雨期の降水を調節し得ず、洪水となる。しかも乾期には平常地下水位数メートルの浅井戸も10m以上になるという。タイ国東北部コンケン地区・東南部ウボン地区等とならび北部ピサヌロク地区の農業問題は宿命的に困難な環境調節の課題であり、農地化を進めるためには多くの困難が伴うが、学術的観点から、それぞれに応じ、早急に科学者がこぞって農民とともに基礎的試験・研究に着手する必要がある。本研究では、タイ国北部ピサヌローク県の概要、作物導入の基礎についての一考察、傾斜地栽培における潅漑システムおよび土壌の物理性、太陽エネルギーの利用技術の導入、タイ北部傾斜地の土壌保全、アグロフォレストリー、ピサヌロークおよびカオコーにおけるHill Side Farmingに対する物理モデルについて研究結果を示した。
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