研究分担者 |
SOUKKONGSENG サイナロース ラオス国立大学, 農林学部, 学部長
WORAWUT Rerk カセサート大学, 獣医学部, 助教授
岡本 新 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70158814)
川本 芳 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (00177750)
|
研究概要 |
8年11月18日〜12月17日の期間に現地調査が行われ,以下のように材料収集がなされた。平成8年度の収集に関する実験分析と試料解析は進行中であるが,現在までにつぎの結果が得られた。 1.ラオスにはセキショクヤケイの2亜種すなわち赤耳朶のGallus gallus spadiceusと白耳朶のG.g.gallusが生息する。ラオスの北部山岳地域から南部高原地域にわたる13地点,17名からの聴き取り調査を行い,また北部で3個体と南部で1個体を採集し,その外皮諸形質を精査した結果,G.g.spadiceusは北西部および北部の山岳地帯に分布するが,その生息域はルアン山脈のメコン側をさらに南下していると考えられる。G.g.gallusはパクセ,チャンパサックおよびアタプ県を主とする南部地域に生息する。ラオスにおける両亜種の生息域について問題となるのは,南北の境界に限られるが,その位置は中部の北緯16度から18度の間と考えている。 2.本調査および前年度の予備調査(7年12月24日〜8年1月10日)における計6個体の生殖腺の剖検所見と外形質に発現されている第二次性徴(冠,距および羽装)の発達度ならびに聴き取り調査の結果から,ラオスにおけるセキショクヤケイには明らかに季節繁殖性が認められた。 3.生体計測を行ったセキショクヤケイ4個体はすべて雄であり,その計測値を他の東南アジア諸国(フィリピン,タイ,ネパールおよびインドネシア)のそれと比較したところ,ラオスのヤケイは小型であるにもかかわらず,脛骨,中足骨および翼長は最大値を示した。 4.セキショクヤケイ4個体,在来鶏136個体の血液標本および在来鶏45個体の卵白標本が採集された。これらのうち,ヤケイ血液標本(G.g.gallus)については現地において白血球培養による核型分析を行い,他地域のG.g.gallusのそれと差のないことが確認された。血液および卵白標本の電気泳動法によるタンパク質分析は,現在進行中である。
|