研究分担者 |
SAINALEUTH S ラオス国立大学, 農林学部, 副学部長
RERKAMNUAYCH ウオラウット カセサート大学, 獣医学部, 助教授
岡本 新 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70158814)
川本 芳 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (00177750)
|
研究概要 |
タイ(1997年7月21日〜8月18日)および、ラオス(1998年1月5日〜1月31日)の現地調査が行われ、試料分析が開始された。現在までに以下の結果が得られている。野鶏と在来鶏間の遺伝子交換の実体解明は、現地の状況により、1998年に持ちこされた。 1.タイとラオスにはセキショクヤケイの2亜種が生息する。タイでは、北部と西部およびマレー半島北部のほか、カオヤイ国立公園を中心とする東北タイの西部とマレー半島北部に、赤耳朶のG.g.spadiceusが分布する。完全白耳朶のG.g.gallusは東南タイに、不完全白耳朶の同亜種がマレー半島南部に分布する。両亜種の分布域が重複する地域では、聞き取り調査の結果、亜種間交雑が存在すると推定される。また同じG.g.gallusについても、東南タイとマレー半島南部の集団間には明らかに形態学的地域差(外皮形質と生体計測値)が認められた。将来(1999年以降)、さらに遺伝生化学的分析が必要とされる。ラオスの1996年度調査の結果、北部のG.g.spadiceusがルアン山脈のメコン側を南下していると推定されたが、今年度はビエンチャン県の3地点でG.g.spadicius3例、サラバン県で4例のG.g.gallusを採集し、形態学的亜種同定が行われた。両年度の調査によって、G.g.spadiceusは北緯18度以北、東経102度以西に、G.g.gallusは北緯16度以南にそれぞれ生息する。両亜種の分布域間では、耳朶の白色度から亜種間交雑が行われていると推定されるが、現在進行中の血液試料の遺伝生化学的分析によって確認される。 2.ラオス国内13地区より収集された在来鶏136、野鶏2の血液試料について17遺伝子座の電気泳動分析が行われた。現在、6座位(Akp,akp,Akp-2,A16,Tf,Pas)の表現型分析の結果、数座位に多型を確認した。残りの11座位についてはなお分析を継続中である。在来鶏の卵白試料37個体分についてはOv,G2,3,TfEw,Pc,およびG1の座位の全分析が行われ、オボアルブミン(Ov)、オボグロブリン(G2,G3)、コンアルブミン(TfEw)の4座位において多型を検出した。
|