研究分担者 |
LIU Jing 中国海洋研究所, 教授
LI Xinzheng 中国海洋研究所, 教授
篠原 現人 国立科学博物館, 動物研究部, 研究官 (10280520)
斉藤 寛 国立科学博物館, 動物研究部, 研究官 (00259996)
窪寺 恒己 国立科学博物館, 動物研究部, 室長 (80170041)
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研究概要 |
中国南部に位置する海南島の浅海性動物の調査を行った。調査は、国立科学博物館の研究者と中国科学院海洋研究所の研究者が共同して平成9年11月中旬から12月上旬にかけて実施した。調査した主な場所は海南島南部の三亜付近の海岸である。三亜沿岸にはサンゴ礁と岩礁が発達し、多くの浅海性動物が採集された。サンゴ礁と岩礁における採集にはスキューバを主に用いた。三亜沿岸ではホテルや港湾工事が行われ,多くのサンゴが陸から流入する土砂によって死滅し,海中の透明度もきわめて低く,多くのサンゴ礁が破壊されつつある.このためブダイ科やフエダイ科などの大型のサンゴ礁性魚類を見いだすことはできなかった.一方,三亜沿岸の三亜湾には砂泥底が発達していたので,小型漁船を傭船してトロールを用いた採集を行った. サンゴ礁で採集した動物の主なグループは、小型魚類、小型甲殻類、貝類、棘皮動物(ヒトデ類、クモヒトデ類)である。これらの浅海性相物はいずれも小型の種類に限られた.このうち魚類では、サンゴ礁や岩礁に生息するヘビギンポ類に数種の新種が見いだされた。無脊椎動物では、サンゴの枝の間に生息するサンゴガニ類に新種と思われるもの、また中国初記録と思われる種類が見いだされた。貝類ではヒザラガイ類で多くの興味ある種類が採集された。 三亜湾で行ったトロール調査では,魚類,甲殻類,頭足類,貝類が採集された.採集され海産動物には日本南部との共通種が多かった.
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