研究分担者 |
松本 定 国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 主任研究官 (80132695)
小西 達夫 国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 主任研究官 (70161958)
橋本 保 国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 園長 (90110113)
CHANEL Sam バヌアツ共和国国土自然資源省, 森林局, 局長
BANI Ernest バヌアツ共和国国土自然資源省, 環境局, 局長
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研究概要 |
平成8年と9年の2年間、これまでに大規模な調査がほとんどなされていない南太平洋バヌアツ共和国で植物相の調査を行った。中心となったのはこの国最大の島、エスピリツ・サント島西部の南北に連なる標高1000〜1800mの山域の山地雲霧林帯で、平成8年にはこの国の最高峰であるタブウェマサナ山と北部のブチメレ山、平成9年には中央部のブチメナ山を中心に行われた。対象となった植物群は蘚苔類、シダ類、裸子および被子植物であった。 この2年間で得られた乾燥および生標本は、蘚苔類ではBryum,Ctenidium,Diphyscium,Trematodonなどの蘚類、Haplomitrium,Treubiaなどの苔類の属に含まれる種、約1100点、シダ類ではAsplenium,Tmesipteris,Dryopteris,Cyathea,Blechnum,Ophiglossum,Hymenophyllum,Schizaea属など36科95属約210種1500点、裸子および被子植物ではAmyema,Astronidium,Vaccinium,Strongylodon,Macaranga,Flagellaria,Fagraea,Eurya,Coriaria属など79科196属約250種3500点であった。 これらの植物については平成8年度にはバヌアツ共和国環境局のアーネスト・バニ氏、また平成9年度には同森林局のサム・シャネル氏を日本に招へいし、日本の研究者と共に同定を行った。その結果、ラン科のEarina属、Pachyplectron属、Malaxis属など、シダ類のPhymatosorus属などで新種が発見されたばかりでなく、多くのバヌアツ未記載の種も発見された。さらに、バヌアツに関連すると考えられる植物が自生、あるいは標本が保管されているニューカレドニアとフィジーの調査も併せて行われ、バヌアツの植物を同定する上で貴重な標本や情報も数多く得られた。
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