研究分担者 |
永倉 貢一 東海大学, 医学部, 講師 (80142454)
片倉 賢 慈恵会医科大学, 講師 (10130155)
相川 正道 東海大学, 医学部, 教授 (90271593)
河津 信一郎 農水省, 家畜衛生試験場, 研究員
伊藤 守 財団法人 実験動物中央研究所, 室長(研究職) (00176364)
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研究概要 |
本年度は、中国新彊ウイグル自治区カラマイ地区において調査を行い、以下の成績を得た。オオスナネズミ(Ro)12頭、また、Roの巣穴から雌サシチョウバエ101頭を捕獲した。Roでは耳介および脾臓等臓器を採取し、虫体の確認のためにスタンプ標本を作製し、一部をNNN血液寒天培地にて培養した。また、一部をHE染色標本用にホルマリン固定した。サシチョウバエは実体顕微鏡下で解剖し、中腸内プロマスティゴートの検索を行い、虫体が確認できた場合はNNN血液寒天培地にて培養した。その結果、サシチョウバエ6匹に原虫を確認した。Ro3頭においては、耳介組織からのみ原虫が確認、分離された。組織標本にて、多数の原虫が観察されたものの、顕著な組織反応像は観察されなかった。次に、培養株として分離できたRo由来3株(KMA-2,KMA-4,KMA-7)、サシチョウバエ由来5株(KMP-1,KMP-2,KMP-3,KMP-4,KMP-6)を、BALB/cAマウス8頭の尾根部、スナネズミ8頭の耳介部および鼻部の皮下に接種し、接種後6-9週間経過を観察し、上記Roと同様に感染虫体を検索した。その結果、採取した臓器からの原虫の培養では、スナネズミでKMP-1,KMP-6株を接種した2頭を除く8頭中6頭に原虫が確認されたが、マウスでは、8頭中1頭に少数の虫体が確認されたに過ぎなかった。また、接種部位の肉眼的病変は観察できなかった。続いて上記分離原虫株よりDNAを回収し、ミニエクソン遺伝子をターゲットとしたPCRとPCR産物のシークエンシングを行い原虫種の同定を試みた。PCRの電気泳動パターンならびに塩基配列の相同性からKMA-4,KMP-3がLgerbilli,KMA-2,KMA-7,KMP-2がLturanicaであると考えられた。
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