研究課題/領域番号 |
08041178
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川崎 晃一 九州大学, 健康科学センター, 教授 (00038704)
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研究分担者 |
吉水 浩 久留米大学, 保健体育センター, 教授 (40220727)
伊藤 和枝 中村学園大学, 家政学部, 教授 (80104983)
大柿 哲朗 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (20101470)
ACHARYA Gopal トリブバン大学, 医学部, 教授
小林 茂 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (30087150)
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研究期間 (年度) |
1996
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キーワード | ネパール / 丘陵地農村(or Kotyang) / 都市近郊農村(or Bhadrakali) / 高血圧 / 追跡調査 / 生活形態 / 総合的調査研究 / ミネラル摂取量 |
研究概要 |
目的:我々は1987年にネパールの山岳地と年近郊農村住民を対象に、高血圧の発症要因について学際的な調査を行ってきた。今回は、10年後の追跡調査を行い、我々が10年前に行った調査結果を確認するとともに、両村の医学、栄養、形態、身体活動量等に関する健康状態が、生活習慣の変化でどのように変貌しているかを明らかにすることを目的とした。 対象と方法:対象は20歳以上の山岳地農村(K村)住民374名(男性189、女性185:20〜86歳)、都市近郊農村(B村)住民596名(男性278;女性318:20〜82歳)である。調査項目や方法はすべて10年前のそれらと全く同じとした。 結果:二つの村の間で体格に有意な差は認められなかった。肥満者の頻度は両村間の女性では明らかな差はなかったが、男性では10年前と同様K村住民が低値を示した。最大酸素摂取量もいずれの年代でも男女ともK村が有意に高値であった。収縮期及び拡張期血圧のいずれも10年前と同様K村住民が有意に低値を示した。高血圧(140and/or90mmHg以上)の頻度は、50歳以上に限定してみると、K村では1987年0%、1996年は9%、B村ではそれぞれ32%、35%であった。一日推定食塩摂取量はいずれの村も男性13〜14g、女性11〜12gであり、10年前とほとんど差はなかった。カリウム摂取量も10年前と同様、差がなかった。 結語と今後の方針:K村では食塩摂取量が日本人並みであるにも関わらず、高血圧者が非常に少なく、加齢による血圧上昇も著しくないことを再確認した。しかし、10年前に比してK村の生活水準はよくなっている印象を受けた。都市化の著しかったB村の血圧上昇はあまり顕著ではなかった。今回は同一の追跡調査ではないので、今後より詳細な分析を行って、10年後の血圧の変化に関連する要因を分析する予定である。
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