研究分担者 |
AALBERSBERG ダムリュ・ジー・ 南太平洋大学, 理学部, 講師
MAHARAJI P.A フィジー医科大学, 薬学, 講師
SAMISONI J.I フィジー医科大学, 薬学, 学長
北島 潤一 昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (20195259)
中村 卓造 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (60077526)
田代 眞一 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (70266188)
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研究概要 |
(1)フィジ-主島及びバナレブ島の,集落での健康診断,病院での診療に同行,疾病構造疾病の概念と呼称,治療の状況,とくに伝統薬の位置づけなどを調査した。その結果高血圧,糖尿病などの生活習慣病は都市部で20%近い有病率なのに比べ,農村部は遙かに低い。一方農村部では,下痢,皮膚病,結膜炎など眼を疾患などの感染症が非常に多いが、都市部では羅患率が低いことが示された。医薬品類はWHOなどの支援も有り,農村部で病院等が在る地域では揃っているものの,救急時には伝統薬で対応しており,皮膚病や下痢などに対しては伝統薬に依存している度合いが高い。しかし,その有効性や,成分などに関する研究は少なく,これら伝統薬の医療機関での認識は低い。我々はこれら伝統薬の中から抗菌効果を持つものを見出しているが、今後はこうした薬物の科学的研究と知識の普及,使用にあたっての適切なガイドラインの作成と共にさらなる調査,研究の推進が必要である。 (2)フィジ-主島及びバナレブ島,四集落の有用植物を中心にその植生,植物の採取と同定を行なった。調査の結果118種類の有用植物のうち,65種類は伝統薬植物として今日使用されている。なかでも特に20種類ほどは日常的に集落内外で生育させ、各種疾患にその場で新鮮な植物を頻繁に用いて対処している実態を明らかにした。 (3)現地名ササンギル,トカトルについてはその成分と薬効を探索した結果,新規物質を単離し,その構造を決定するとともに,うち1つに,伝承による薬効の一部を担うと思われることを確認した。
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