研究課題
本学術調査「インドネシアの天然薬物調査研究」は、第1次調査(昭和60〜61年度)及び第2次調査(昭和63〜平成元年度)では、ジャワ島、バリ島及び東ヌサ・テンガラ州(チモール島、フォローレス島、スンバ島)、第3次調査(平成2〜3年度)では、スマトラ島ベンクル州及びリアウ州、第4次調査(平成4〜5年度)は、モルッカ州アンボン島中部スラウェシ州、さらに、第5次調査(平成6〜7年度)では、ボルネオ島の西及び東カリマンタン州において、各調査地の天然薬物の実態調査を行った。そして、平成8年度の第6次調査においては、バリ島及び西ヌサ・テンガラ州(ロンボク島、スンバワ島)を調査地とし、これら地域に伝承されている薬用植物に関する記述物(ロンタール)についての調査及び、各集落に伝わる民間薬及び民間医療の実態を調査した。また、平成9年度においては、ボルネオ島中部カリマンタン州において、各地の集落を訪ね同様の調査を行った。調査地では、地元森林局スタッフや国土開発局職員などの協力を得、極めて円滑に調査を遂行することができ、当初の計画をほぼ遂行した。各集落においては、年輩者からその集落で用いられる薬草(薬用植物)について、用法・用途を含めて情報を収集した。また民間医(ドゥクン)から、民間医療法の聞き取り調査を行った。さらに得られた情報を基に、薬用植物調査も平行して行い、計55種の薬用植物資料を収集することができた。収集した資料については、インドネシア側共同研究機関であるインドネシア科学院付属の国立生物学研究所において、分析及び植物分類学的な同定を行った。
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