研究分担者 |
中根 一穂 長崎大学, 医学部, 教授 (60164240)
THAN Swe ミャンマー国立医学研究所, 所長
小路 武彦 長崎大学, 医学部, 助教授 (30170179)
石川 隆俊 東京大学, 医学部, 教授 (30085633)
武田 和久 岡山大学, 医学部, 教授 (50033080)
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研究概要 |
本研究は若年者の肝細胞癌が多いミヤンマー国において,肝細胞癌の発生と鉄過剰症の関係,さらに,B,C型肝炎の広がりについても明らかにすることを目的として企図された.1997年12月17日〜27日の期間で,ミヤンマー国立医学研究所の生化学部門,病理部門,および国立ヤンゴン総合病院血液疾患部門,肝臓疾患部門,国立ヤンゴン小児病院血液部門にて調査研究を行なった.対象患者は小児病院血液部門のサラセミア患者10名(血清解析6名),ヤンゴン総合病院血液疾患部門の患者6名,肝臓疾患部門の患者52名(肝細胞癌15名,肝硬変34名,慢性肝炎3名)であった.患者とは別個に20例の肝癌手術例の病理組織標本の提供をうけた. その結果 1)血清のGOT,GPT,ZnTT,AFT,HBsAg,HBcAb,HCVAb,の検索を行った。B型肝炎は64名中,既往45名,内活動性のもの18名を占めた.C型肝炎陽性者は64名中31名を数えた.サブタイプはすべて1b型であった. 2)患者血清の鉄過剰状態の検索:血清鉄飽和度50%以上の患者は肝疾患で29%,小児サラセミア100%,血液疾患67%であった.血清フェリチン値の正常値(200ng/dl以下)を示した者は肝疾患患者の16名のみであった. 3)異常ヘモグロビン,手術材料より鉄関連淡白,癌関連遺伝子異常などは現在検索中である. 鉄過剰は調査疾患に非常に多いことが判明した.輸血以外の鉄過剰の原因を調べるとともに,疾患の進展に及ぼす影響は評価する必要がある.この調査研究により,これらの地域ではC肝炎が非常に多いことが始めて見いだされた.サブタイプは1b型であり,治療抵抗性であると考えられる.早急に蔓延防止の対策を講じることが必要である.
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