研究課題
1.Mulligan Dr.(ハーバード大)を九大・生医研へ招聘。ハーバード大学で治療を行っているGM-CSF遺伝子治療のヒト・メラノーマ(進行癌)21例を教示。Phase I studyでDTH反応増強。我々は共同研究でアデノウイルスベクターに組み込んだIL-6遺伝子とGM-CSF遺伝子の担癌マウス生体内投与で著明なキラーT分化相乗効果を示した。VEGFキメラT細胞レセプター発現T細胞を作製し担癌マウスにadoptive transferし抗腫瘍効果を示した。2.Rosenberg Dr.(NCI)(岡田を派遣)はリコンビナントヒト・メラノーマ癌特異抗原gp100のペプチド(209-217の9個のアミノ酸で210番目をメチオニンに置換)皮下注射+リコンビナントIL-2大量投与で31例のメラノーマ転移の癌患者のうち13例の患者(42%)で癌の縮小を認めた(New Engl J Med in press)。ペプチド単独では20例中1例に有効で、IL-2単独では62例中15%であった。このようにgp100ペプチド+IL-2が有効であることが示された。3.Nable Dr.(ミシガン大学)(岡田を派遣)はヒト・メラノーマに直接HLA-B7遺伝子(欧米では大多数がHLA-B7陰性)をリポソームを用いて導入した。その結果25例中10〜25%でlocal tumor regressionや肺転移の消失を示した。さらにヒト大腸癌・乳癌でHLA-B7遺伝子治療行っている。さらに、共同研究でHLA-B7遺伝子リポソーム+IL-6geneの組み合わせでSCID-huの系で抗ヒト癌効果の増強が認められた。4.Gansbacher Dr(ミュンヘン工科大学)を九大・生医研に招聘。IL-2gene+γIFNgeneによる抗腫瘍効果ならびにヨーロッパにおける遺伝子治療の情報を得た。5.Smithies Dr.(ノースカロライナ大)と共同研究でtransgenicマウスの作製を試みている。6.Gillis Dr.(コリキシア研)と共同研究でLeIF+IL-6geneの相乗的抗腫瘍効果を得た。
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