研究課題
国際学術研究
1.断面調査(1)食事記録調査無作為抽出した47〜75歳のサンパウロ在住日系人166名(男性77、女性89)より3日間の食事記録を得た。そして、同様の手法で行われた日本での調査結果と比較した結果、サンパウロ在住者は砂糖・甘味類、豆類、果実類、鶏肉類、赤身肉類の摂取量が多い一方、大豆製品、野菜類、漬け物類の摂取量が少ない傾向にあった。(2)アダクトの検出剖検例5例の肝臓、腎臓、結腸、結腸がん症例5例の結腸組織について、ヘテロサイクッリクアミンのDNAアダクト(dG-C8-MeIQx,dG-C8-PhIP)の検出を試みたが、全例が検出限界未満であった。2.症例対照研究症例は、サンパウロの13病院で診断された、日系人胃癌101例と非日系人胃癌245例。対照は、性、年齢(±5歳)、人種をマッチさせた非癌患者、各202例と245例。面接による食生活などの生活環境アンケート調査と血液の採取による遺伝子多型の同定を行った。日系人では、牛肉の頻回摂取が有意にリスクを増加させており、世代、魚介類、揚げ物・炒め物、大豆製品、フェジョン豆ライスなどの食品摂取を補正しても有意であった。胃がん症例の牛肉摂取頻度は非日系人と同レベルであった。非日系人では、揚げ物・炒め物の頻回摂取が有意なリスク要因に、また、野菜が有意な防御要因であった。胃癌症例の野菜摂取頻度は、日系人に比較して有意に低いレベルであった。CYPIIEIのRsaIポリモルフィズムを予備的に検討したところ、RsaI site-present homozygoteの頻度は、非日系人の症例で94%(155/165)、対照で87%(132/151)、日系人の症例で61%(33/54)、対照で54%(62/115)であり、症例-対照間の差異よりは、人種差の方が顕著であった。
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