研究課題
Ecological study:揚中市と〓州市に在住する一般住民それぞれ417名、425名に対する質問紙調査が終了し解析を行った。低リスク地域である〓州市では、ニンニクやネギ、タマネギ、ニラなどallium属野菜の摂取頻度が非常に高いこと、ニンニクやネギは生でも摂られていること、その他に生野菜、果物、トマト、大豆食品、小麦の摂取頻度が高いこと、高リスク地域である揚中市では肉や米の摂取頻度が多いことなどが判明した。喫煙、飲酒習慣、お茶や漬物などの摂取頻度に関して大差はなかった。症例・対照研究:高リスク地域である揚中市で胃がん患者153例、食道がん患者81例、及び対照者234例の情報が得られ解析を行った。胃・食道がんとも漬物や残ったお粥の頻回摂取でオッズ比(OR)の上昇が認め、食道がんでは喫煙でORが高くなる傾向があった。逆に胃・食道がんともに低いORが認められた項目はお茶の多量摂取、生野菜、allium属野菜の頻回摂取であった。淮安市と〓州市においても現在、同様の症例・対照研究が進行中である。分子疫学的研究:予定した検体採取はほぼ終了した。胃・食道がん患者122例、その家族122例、健常対照者100例のDNAが採取され、現在、解析中である。健常対照者におけるP450IIE1遺伝子多型のvariant typeの地域別分布はリスク地域で2.0%(1/50)、低リスク地域で14.3%(7/49)と必ずしも高率地域が高くなかった。また、低率地域におけるHLA-DR allele typeの頻度分布は北方系漢民族に類似し、一方、高率地域の分布には南方系漢民族に共通する部分もあり、両地区の分布はやや異なることも示された。血清疫学的研究:検体採取は終了し、現在、抗Helicobacter pylori抗体の検索中である。
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