研究分担者 |
李 憲昶 高麗大学校, 政経大学, 副教授
鄭 成一 国史編纂委員会, 研究委員
李 栄薫 成均館大学校, 経商, 教育研究士
金 ひょ栄 国史編纂意委員会, 教授
呉 金成 ソウル大学校, 人文科学大学, 教授
ちょ 永禄 東国大学校, 文化大学, 教授
安 秉直 ソウル大学校, 社会科学大学, 教授
黒田 明伸 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (70186542)
足立 啓二 熊本大学, 文学部, 教授 (70128247)
吉田 光男 東京大学, 文学部, 教授 (70166974)
横田 冬彦 京都橘女子大学, 文学部, 教授 (70166883)
田中 誠二 山口大学, 人文学部, 教授 (80116730)
水本 邦彦 京都府立大学, 文学部, 助手 (60108363)
中村 哲 福井県立大学, 大学院・経済学科, 教授 (20025191)
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研究概要 |
本年度は2年計画の初年度にあたるため,東アジア3国の近世社会を比較検討するに際しての研究史整理と,各メンバーの問題関心を確認することに重点をおいた。研究史整理の面では,従来,中国と日本、朝鮮と日本といった2国間の比較は相当量の研究が蓄積されてきているが,3国を総合的に比較した研究はほとんど行われてこなかったことが確認された。さらに3国を比較することによって2国間比較の不十分さ-たとえば,中国と比較しての日本の特徴とされてきたものが,日本だけでなく朝鮮にも共通してみられることなど-が明らかになる点が多数存在するとの展望をもつことができた。特に従来の東アジア研究において相対的に手薄であった朝鮮を比較の柱にすえることによって,東アジア3国の比較史的研究に新たな視野を切り開ける見通しがもてたことは,来年度の研究の基礎となりうるものである。 また3国の比較を行うに際して特に重要な問題として,支配エリート(士大夫,両班,武士)の存在形態、地方統治のあり方(郡県制と封建制のあり方),およびそれと関連する村落の性格の問題,家族・親族制度(中国の宗族,朝鮮・日本の同族)の構造等を検討する必要性が確認された。さらに近世の東アジアをとりまく国際環境を視野に入れつつ,近世のいわゆる「鎖国」,海禁の問題を,3国の国内統治体制や経済構造と関わらせて究明する必要性も確認された。そして3国の近代を,近世との連続面に重点をおきつつ比較することが,今日の東アジア地域を理解する上で緊要の課題であるとの認識の一致をみた。来年度は以上のようないくつかの課題を重点的に追求する予定である。
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