研究課題
平成8年度には長江中下流域で、重慶市・岳陽市・武漢市の都市計画局や水利局、および岳陽市の農家を訪問し、現地での聞き取り調査を実施した。重慶市は第二次世界大戦後に都市地域が拡大した。重慶市の市街地面積は600km_2で、市街地人口は250万人で、その周辺地域に100万人の農民が生活している。2020年には中心市街地の人口を500万人と想定し、周辺地域の人口を350万人と想定して、都市計画をたてている。重慶市では農業人口が多いが、彼らを第二次・第三次産業に転換させる必要がある。岳陽市の面積は840km^2で、中心市街地の人口は53万人である。岳陽市は洞庭湖に面しており、港湾都市でもある。農業・工業・商業の他に、観光業も盛んである。洞庭湖は中国で2番目の大きさの湖であるが、1950年頃から洞庭湖の湖面面積が減少し始め、周辺の耕地面積が増えてきた。洞庭湖周辺地域では1996年7〜8月に洪水があり、市街地や耕地などで水害があった。洞庭湖の洪水調整が必要である。武漢市の中心市街地面積は227km^2で、ここの人口は350万人である。武漢市は長江中流域の工業・商業・交易・金融・科学教育の中心地である。近年に自動車交通量が急増している。そのため道路網の整備を進めている。山峡地域では谷壁の緩斜面に農地が分布し、小麦・野菜・柑橘などが栽培されている。岳陽市の君山農場は茶・米・菜種・綿花・サトウキビの生産地域となっている。米は2期作で栽培されている。山峡ダムは1993年12月14日に着工された。2009年に竣工予定である。山峡ダムは、長江の洪水防止、発電、灌漑用水の確保、観光資源の開発などを目的に、着工されている。山峡ダムの建設により2万5千ha以上の耕地が水没する。沿岸の住民の移転を進めている。
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