研究課題/領域番号 |
08044012
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
中谷 英明 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (20140395)
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研究分担者 |
高島 淳 東京外国語大学, AA研, 助教授 (40202147)
COLETTE CAIL フランス学士院, 会員
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キーワード | ヴェーダ / 韻律 / ガーヤトリー / アヌシュトゥブ / 無意識 / 作詩技法 / 叙事詩 / シュローカ |
研究概要 |
本研究は、インド諸宗教の根本観念である霊魂の浄化・解脱に関し、ヒンドゥー教(高島担当)、ジャイナ教(カヤ担当)、仏教(中谷担当)という主要3宗教における歴史的発展と相互影響を跡付けつつ、これを明らかにし、その今日的意味を究明することを目的とする。 平成9年度実績 平成9年度は、フランスからコレット・カヤ教授がが3月2日〜9日の8日間来日し、日本側との研究打ち合わせ、ならびに東京大学文学部、京都大学人文科学研究所においてそれぞれ講演と討論を行った。 研究打ち合わせ会議においては、カヤ、中谷、高島がそれぞれ担当分野に関する概要を報告し、解脱を妨げる要素としての霊魂の汚れの観念が、ジャイナ経においては「カルマン」(業)、仏教においては「トゥリシュナー」(渇き、煩悩)、シヴァ教においては「マラ」(汚れ)として捉えられていることを確認した。ただしカルマンはあくまで物質とされるのにたいして、トゥリシュナー、マラは精神的に捉えられている点が異なる。さらに汚れがまったく無くなった状態がこの世の生身の人間に実現するか否かについても見解が分かれる。ジャイナ教ではこの世界に存在する限り解脱した「シッダ」ではありえないが、シヴァ教、仏教では解脱者としての生存が有り得る。全体的体系の対応が確認されたので、その要点を精密に検討することが今後の課題である。
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