研究分担者 |
MATTHEWS Ger ダンディー大学, 心理学, 助教授
WARDLE Jane ロンドン大学, 精神医学研究所, 副部長
STEPTOE Andr ロンドン大学, 医学部, 教授
矢冨 直美 都老人総合研究所, 精神医学部門, 主任研究員 (40133631)
高下 保幸 福岡大学, 人文学部, 教授 (30091234)
原口 雅浩 久留米大学, 文学部, 助教授 (80228634)
尾坂 良子 久留米大学, 医学部, 教授 (80115815)
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研究概要 |
(研究実績の概要) 本研究の目的は、日本と英国の大学生を対象にして,生活ストレス(コーピングが困難と評価されるような日常生活の出来事.たとえば,対人関係の問題や学業に関する問題)とライフスタイル(日常生活習慣としての健康関連行動.たとえば,食習慣・喫煙と飲酒・運動習慣・睡眠時間・予防的なヘルスケア・運転行動など),健康信念(健康に関する意見や態度,知識.たとえば,健康に対する意識と行動の役割の重要性,ポジィテブ健康行動の実践に対する効力感など)を質問紙によって評価するとともに,メンタルストレス・テストに対する心理生物学的ストレス反応性(たとえば,気分,自律神経機能,免疫機能,内分泌機能)を測定することになる.そして,これら実験的-フィールド研究から,ライフスタイルと健康信念,ストレス反応性の相互関連性について検討を加えることで,ストレス-と病気をつなぐ心理社会生物学的メカニズムを探ろうとすることを試みた. 本年度はとくに,日本人の大学生のライフスタイルと健康信念,生活ストレスに関する質問紙の作成と検討を行うとともに,メンタルストレス・テストに対する心理生物学的ストレス反応性の指標として,心臓血管系ストレス反応(血圧と脈拍)の測定と唾液中に含まれる免疫グロブリン(Ig)A抗体産生量と3-methoxy-4-hydoroxyphenylethylene glycol(MHPG)含量の測定法の確立を行い,Steptoe & Wardle(1991)が従来より英国で使用してきたライフスタイルと健康信念に関する質問紙が日本人の大学生に対しても適用できる信頼性を有していること,また唾液中のIgA抗体とMHPG含量がストレスの指標として有効であることを確認した. これらの知見から,来年度から本格的に実施が予定されている日本と英国の大学生を対象にしたライフスタイルと健康信念,ストレス反応性に関する交差文化的研究のための方法論が確立されたといえる.
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