研究分担者 |
MATTHEWS Ger ダンディー大学, 心理学, 助教授
WARDLE Jane ロンドンシティ大学, 医学部, 教授
STEPTOE Andr ロンドン大学, 医学部, 教授
矢富 直美 都立老人総合研究所精神医学, 研究員 (40133631)
高下 保幸 福岡大学, 人文学部, 教授 (30091234)
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研究概要 |
日本の大学生(約800名)を対象に,ライフスタイル(食習慣・喫煙と飲酒・運動習慣・睡眠時間・予防的なヘルスケア・運転行動など)と健康信念(健康に対する意識と行動の役割の重要性,ポジィテブ健康行動の実践に対する効力感などをカテゴリー評定)に関する調査を実施し,以下に示すような知見を得た. 1.22の健康関連行動に対する健康価値について,いずれも高い健康価値を有していた.とくに,“朝食を毎日とる"“身体の変調に気づいた時に病院に行く"などが高かった反面,“果物を摂取する"“コーヒーを飲み過ぎない"などが低かった. 2.ほとんどの学生が実行しているポジティブ健康行動としては“肉類の摂取を控える"“繊維性食品の摂取"などが挙げられ,いっぽう“標準体重の維持"“ガンの自己検診をする"などはあまり実行出来ていなかった. 3.生活習慣病を含む代表的疾患と健摩危険因子との関連性について,心臓病は肥満,肺ガンは喫煙,乳ガンは遺伝,精神病はストレス・高血圧症は塩分の摂取がもっとも関連のある危険因子として同定された. 個々人のライフスタイルと健康関連行動との関係について,健康価値と健康知識とが複雑に介在していることが示されるとともに,これらの知見より,望ましい健康行動の変容にかかわる心理学的要因の重要性が示唆された. 来年度は英国の大学生のデータを分析するとともに,日本の大学生との比較検討が期待された.
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