研究分担者 |
WARDLE Jane ロンドンカレッジ大, 医学部, 教授
STEPTOE Andr ロンドン大, 医学部, 教授
矢冨 直美 都老人総合研究所, 精神医学, 研究員 (04016631)
津田 茂子 久留米大学, 医学部, 講師 (20197700)
原口 雅浩 久留米大学, 文学部, 助教授 (80228634)
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研究概要 |
日本の看護大学4年生(約100名)を対象に,ライフスタイル(食習慣・喫煙と飲酒・運動習慣・睡眠時間・予防的なヘルスケア・運転行動など)と健康信念(健康に対する意識と行動の役割の重要性,ポジティブ健康行動の実践に対する効力感などをカテゴリー評定)に関する調査を約半年の間隔をおいて,同一対象者に対して2度にわたって実施し,以下に示すような知見を得た. 1. 22の健康関連行動に対する健康信念は,1回目(平常時)と2回目(看護国家試験ストレス時)の調査において,いずれの項目においても高い相関が認められた.このことは,健康信念が比較的安定してることを示唆している. 2. しかしながら,平常時の1回目の調査と比較した時,受験ストレス状態にある2回目の調査では,食習慣に関連する健康行動の実行に対する重要度が低下したのに対して,ポジティブな性行動の実行に対する価値が上昇した. 3. 看護国家試験ストレスによって,不安と怒りの情動反応が有意に亢進していることが分かった. 4. 上記の2と3の結果を合わせて考えると,健康関連行動の実行の変動と健康信念が連動していること,これらの変動にストレスの自覚が媒介している可能性があることが分かった. 今回の調査より,ライフスタイルと健康態度(健康関連行動の実行に対する重要度や健康価値など)が密接に関係していること,これらの関係性に影響する要因の1つとして生活ストレスが関与していることが示唆された.
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