研究分担者 |
橋本 博子 モナッシュ大学, 日本研究科, 講師
小川 京子 モナッシュ大学, 日本研究科, 講師
山口 真理子 (岡部 真理) モナッシュ大学, 日本研究科, 講師
横山 詔一 国立国語研究所, 情報資料研究部, 主任研究官 (60182713)
石井 恵理子 国立国語研究所, 日本語教育センター・日本語教育指導普及部, 日本語教育推進企画研 (90212810)
OKABE Mariko Monash University"Dept.of Japanese Studies"Lecturer
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研究概要 |
本研究の目的は,海外での日本語学習支援のために仮説を立て,それに基づく活動とツールを開発し実証することで,今後の日本語学習支援システムのモデルを提案することである。 仮説1: 複数の人間が共同して創り出す協働学習は日本語学習を促進する。 仮説2: 協働学習は,以下の条件で行われる。 (1) 学習対象となる課題の正解を,学習者も教師も知らない (2) 求める正解の内容は,学習者や教師の関心が高い課題である (3) 試行錯誤過程で進展状況が互いに検討,改善,確認できる (4) 試行錯誤過程を支援する情報が円滑に流れる (5) 教師による評価が優先しない (6) 学習過程で得られた解答を参考資料として活用できる 仮説3:協働活動にとってマルチメディア型資源蓄積ツールは必要である。 ここでは,Intelligent Pad(北海道大学工学部田中譲教授,日立ソフトエンジニアリング,富士通)を用いた。理由は,フリーソフト,容易なプログラム改良,簡便な操作性,映像・音声・文字資料の同調の容易さ,インターネット上でのデータ授受の容易さ,による。 モナッシュ大学日本研究科の学生の協力を得て,以下の活動を行った。 (1) 学生は映像音声資料から文字化資料を作成し,コンピュータ上でInteligent Padによりサブノートを作る。 (2) IntelligentPadによりデータベースから情報を収集し貼付する。 (3) これらを繰り返す過程で学習変化を探る。 得られた知見 (1) 学習ツールの使いこなしは,学習観と学習の自律性と関係がある。 (2) 学習活動の進捗と,情報検索・抽出時間の推移,収集内容の変化と関係がある。 (3) 未知課題の体系化には様々な情報とその選別能力が必要となるが,これは学習動機と目標設定と関係がある。 (4) 情報資源の学習リソース化は,学習者の学習目的と学習動機と学習適性と関係がある。 今後の課題 (1) 学習プロトコルが電子媒体で保存できるが.その整理のツールが必要である。 (2) IntelligentPadによる情報授受にさらなる改良が必要である。
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