東アジアにおける国際分業と技術移転-自動車・電機・繊維産業を中心として-

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08044037
• 研究機関: 日本大学
• 研究代表者: 藤井 光男 日本大学, 商学部, 教授 (70059020)
• 研究分担者: 趙 玉志 長春光学精密機械学院, 教授 ; 古賀 義弘 日本大学, 理工学部, 教授 (30096812) ; 藤井 治枝 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (20218978) ; 大西 勝明 専修大学, 商学部, 教授 (40083654) ; 丸山 恵也 立教大学, 経済学部, 教授 (70062594)
• キーワード: 東アジア / 国際分業 / 技術移転 / 自動車産業 / 電機・電子産業 / 繊維産業 / 中国第一汽車集団 / 郷鎮企業

研究概要

われわれの研究は、今日の東アジアの国際分業進展下において、技術移転がどのように行われ、またどのような事態を関連諸分野(例えば資本・技術・労働など)で生み出しているかについて、自動車・電機・繊維の代表的産業の実態を解明することを目的とする。
このため第2年度である平成9年度は、次のような研究活動を計画・実施した。
1.まず、第1年度に実施した中国長春市、第一汽車の技術移転の調査を補完するため、引き続いて平成9年度7月27日から同31日にかけて、研究チームのスタッフ4名(うち一名は研究協力者)を長春の第一汽車集団総公司に派遣して、製品開発・部品調達・人事労務など書部門の特質と課題に関する研究をすすめた。
2.つぎに電機・電子産業における国際分業と技術移転の進展に関しては、同じく平成9年7月27日より31日にかけて研究チームのスタッフ3名を派遣して、中国北京市近郊の首鋼日電電子、四通総公司、科優など各企業の実態を調査・分析した。その結果、同国ソフトウエアおよび情報サービス産業の現状と課題について認識を深めることができた。
3.さらに平成10年3月9日より同14日までの期間には、主として線維・アパレルおよび電機・電子産業における国際分業の実態と技術移転の課題を解明することを目指して、中国上海周辺地域の郷鎮企業である紅豆集団や、日系企業の日立、マブチ、東レ、桜井など諸企業の訪問・調査を行った。
以上のように第1年度の補完的調査と第二年度の二つの新規調査を実施することを通じ、上記のわれわれの研究目的に対して少なくとも中国に関しては、かなり広範な主要地域を網羅して課題解明のための作業を進展させ得るのではないかと考えている。

研究成果

• [文献書誌] 加茂 紀子子: "日本の二輪車産業" 自動車工業JAMAGAZINE. 31. 2-8 (1997)
• [文献書誌] 大西 勝明: "ベトナム外資法とFUJITSU Computer Product of Vetnam Inc.の概要" 専修大学社会科学研究所月報. 410. 24-29 (1997)
• [文献書誌] 大西 勝明: "日本コンピュータ産業の構造的変革" 専修商学論集. 63. 239-255 (1997)
• [文献書誌] 藤井 治枝: "国際分業の進展と労働力の女性化-" オホーツク産業経営論集. 8(1). 1-29 (1997)
• [文献書誌] 大橋 英五: "財政危機下で進む大企業の強蓄積" 日本の科学者. 32(6). 15-19 (1997)
• [文献書誌] 柴崎 孝夫: "電子産業における主力量産工場地帯の変貌" 産業学会研究年報. 12. 51-61 (1997)
• [文献書誌] 加茂 紀子子: "ASEANにおける自動車の「国際部品補完体制」" 情報科学研究(日本大学商学部). 7. 61-81 (1997)
• [文献書誌] 丸山 恵也・柴崎 孝夫: "日本のビッグビジネス22 本田技研・三菱自動車" 大月書店, 241 (1997)
• [文献書誌] 丸山 恵也・劉 永鴿・加茂 紀子子: "新版アジアの自動車産業" 亜紀書房, 352 (1997)
• [文献書誌] 藤井 光男: "現代アジアの産業発展と国際分業" ミネルヴァ書房, 276 (1997)
• [文献書誌] 丸山 恵也: "東アジア経済圏と日本企業" 新日本出版社, 205 (1997)
• [文献書誌] 劉 永鴿: "日本企業の中国戦略" 税務経理協会, 162 (1997)