研究課題
国際学術研究
1. 研究目的は、以下の課題を日中社会学研究者が協力して実地調査によって解明することである。第1に、中国政府は社会主義中央集権的計画経済の下にいかなる改革戦略によって国営工廠を市場経済的企業集団に転換させているか。第2に、国家の改革政策によって国有企業の公式・非公式の権力構造、人事、賃金、雇用制度にいかなる変化が生じているか。第3に、国有企業の改革政策は中国の経済と社会の発展の見地よりいかに評価できるかということである。2. 研究計画。3ヶ年の研究計画は、次の実地調査をふくむ。1)広州重型機器廠から広重企業集団へ転換(1989-96)の集約的調査。2)中国大型国有企業総経理(社長)にたいする全国アンケート調査。3)中国の企業従業員の価値観全国サンプル調査。4)国営企業余剰労働力の原因、結果、対策についての広東省広州市調査。5)その他、郷鎮企業、合弁企業、流動人口、消費・流通についての実地調査を含む。3. 研究成果として、2著作と研究成果報告書を提出する。1) 萬成博・丘海雄編著『現代中国国有企業』(東京・白桃書房、1997年)(A5版12章299頁)特定の大型国有企業「広州重型機器廠」が、国務院の改革政策に基づいて「広重企業集団公司」へ転換する組織構造の改造課程を集約的に取り扱う事例報告である。2) 萬成博編著『現代中国国有企業II』(東京・白桃書房、1999年)(A5版13章310頁)。中国国有企業、512社の経営者、従業員(1,800サンプル)の価値観、余剰労働力の問題についての全国的・広域調査結果を報告する。3) 研究代表者萬成博『現代中国の企業経営と従業員:国有企業、郷鎮企業、合弁企業』平成8-10年度科学研究費補助金(国際学術研究)研究成果報告書(吉備国際大学・代表者萬成博1999年4月)15編の研究成果報告論文よりなる。今後の研究計画として、「中国国有企業の民営化の調査研究:株式合作制と余剰労働」を中山大学社会学系と共同研究を行う。
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