研究課題
初年度(平成8年度)は日中韓3国の港湾整備の思想、制度、手法に重点を起き、アジア的社会システムとしての港湾整備と環境対策を調査し、2年度(平成9年度)はアジア以外の地域の主要港湾を対象に現地調査を実施した。これらの成果を基に最終年度(平成10年度)には横浜に研究分担者14名、研究協力者7名を召集し研究の成果の交流を図った。合同会議から得られたものは、1. 多重の法規制と利害関係の輻輳する港湾の主体はいかに確保されるべきか、政府レベルばかりでなく、地域の内部での調整に時間と費用が掛かる。しかし代替案を出し尽くして調整を図る必要がある。2. 民間主導による規制緩和政策は地域の要望や国民の需要に応えているか。3. 空間的には港湾域に留まらず、沿岸域を一体とする海域及び陸域の統括的管理法体系が必要になっている、1972年のアメリカの沿岸域管理法はその先鞭となっている。4. 隣接国間ばかりでなく、港湾ならびに海洋の環境管理には広い国際協力が必要になっている。ヨーロッパ連合の港湾環境実践綱領や国際港湾協会環境宣言は多くの示唆を与えている。5. 技術革新の進展に伴う港湾の立地、施設、運営の変化は著しいが、新しい港は物流機能を純化していくが、既成の港は都市整備を含め機能の複合化を展開して行かねばならないだろう。情報通信機能の強化は必至である。これらの事情を補完するため、イギリス、アメリカ、アジアへの調査を行なった。
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