研究分担者 |
湯元 清文 九州大学, 理学部, 教授 (20125686)
高橋 幸弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50236329)
福西 浩 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90099937)
LYONS W. A. ASTeR研究所, 研究員
INAN U. S. スタンフォード大学, STAR研究所, 教授
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研究概要 |
雷放電は雷雲間で起こる対流圏特有の現象であると考えられてきたが,1990年雷放電に伴う未知の成層圏・中間圏発光現象が高感度のテレビカメラで発見された.高度50km以下の成層圏に出現する青色の"ブルージェット",高度50-90kmの中間圏で発光する赤色の"スプライト"が上向きの放電現象として世界的に大きな注目を集めている.本研究は地上からこの上向き雷放電発光現象を観測できる最も適した場所である米国コロラド州ユッカリッジにおいて高速フォトメータ,CCDカメラ,サーチコイル磁力計,ELF・VLF電波観測器等を用いて成層圏・中間圏における雷放電発光現象のメカニズムを解明することを目的として調査した. 1996年3名の派遣研究員が7月から約1ヶ月間,米国コロラド州ユッカリッジでスタンフォード大学イナン教授のグループと共同で雷雲上方で出現する発光現象(スプライト)を観測した.イナン教授のグループはVLF電波観測によりスプライト発生時間を正確に決定することができた.東北大学のグループは高時間分解能で測定できるフォトメータを用いて数msec〜数10msecの発光現象が高度〜100km付近に存在することを発見した.この現象をエルフと命名した. 1997年3名の派遣研究員を7月から約1ヶ月間,米国コロラド州ユッカリッジに再び派遣しスタンフォード大学イナン教授と共同観測を実施した.東北大学のグループは1997年度で使用した測定器にイメージャと磁力計を加えて,さらに詳細な観測を実施した.その結果はスプライトに伴いULF波動が発生していることを発見した.成層圏・中間圏での放電現象に伴ってガンマ線の放射も確認されていることから,雷放電の際に発生する強力な電磁波や電場による成層圏・中間圏・下部電離圏大気の急激な加熱によって成層圏・中間圏の大気組成,特にオゾンやNO密度の変化が起きていることが推測され,高高度の大気環境に大きな影響を与えている可能性がある.
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