研究分担者 |
松本 浩 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助手 (90132688)
外山 毅 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助手 (30207641)
佐藤 皓 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 教授 (80100816)
丸山 浩一 東京大学, 原子核研究所・HE物理部, 助手 (50114658)
吉岡 正和 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 教授 (50107463)
SUBERLUCQ G. CERN, 研究員
BOSSART R. CERN, 研究員
ARENDS H.J. マインツ大学, 原子核物理教室, 教授
REICHERT E. ボン大学, 物理教室, 教授
REICHELT E. ボン大学, 物理教室, 教授
HUSMANN D. ボン大学, 物理教室, 教授
SCHOCH B. ボン大学, 物理教室, 教授
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研究概要 |
1.全体の進行状況 Mainzにおいてはすでに偏極電子ビームを実用化し,DHG(Drell-Hearn-Gerasimov総和則の検証)実験の準備が着々と進んでいる.またBonn大学においても偏極電子源は一応完成し,実験室エリアへビームを引き出し偏極度を測定する段階まで進んできた.またCERNと高周波電子銃空洞の共同試作を行なう研究についても最終設計が終了し,作製方法について討議する段階へと進んでいる 2.Mainzの偏極電子ビーム開発 Mainzではすでに偏極電子ビームは実用化されている.新たな試みとして従来の直流ビームに変えてピコ秒ビームを生成し,Linacへの入射効率を大幅に改善することにより実験ターゲット上での偏極電子ビーム強度を20μAまで向上させる研究を進めている.またDHG実験には高い偏極度を有するフォトカソードが最も必要であることから,日本で開発した拒み超格子カソードを使用する可能性についても議論を進めている. 3.Bonnの偏極電子ビーム開発 偏極電子源のビーム強度は所期目標の100mA/1μ秒を達成した.このビームをELSAで約1GeVまで加速後に引き出し,スピン回転(横方向→たて方向)させメラ-散乱ポラリメーターで偏極度を測定した結果,電子源で30%あった偏極度が加速後は6%に低下したことが判明した.円形加速器の場合は加速途中でスピンと横磁場成分が結合し特定のエネルギー点で減偏極共鳴を生ずるので,この点をすばやく通過するための補正用4極電磁石の設計をKEKグループ,加速途中の偏極度モニター用のコンプトンポラリメーターの製作をBonnグループが中心に進めている.本格的な減偏極共鳴の研究はこれらの装置が完成する1997年度以降に実施する予定である. 4.CERNの高周波電子銃の開発 将来の「偏極高周波電子銃」実現可能性を探る試みとして,電界放出暗電流を極限まで抑えた電子銃空洞を試作する方針のもとに,CERNと共同して電子銃設計と作製方法の検討を進めた.とくにCERNでは放電加工による高周波入射結合孔の作製法,拡散接合とロ-付けを併用する空洞接着法を開発しており,日本では工作後の銅表面の洗浄する方法を高電界試験を用いて確立する研究を進行させている.1997年度中には新しい空洞を作製する予定である.
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