研究課題/領域番号 |
08044069
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉川 研一 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (80110823)
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研究分担者 |
VASILEVSKAYA バレンチナ ロシア科学アカデミー, ネスメヤノB有機素子化合物研究所, 上級研究員
KHOKHLOV A.R ロシア科学アカデミー, ネスメヤノフ有機素子化合物研究所, 教授
熊沢 紀之 茨城大学, 工学部, 助教授 (70137256)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 長鎖DNA / 一次相転移 / モンテカルロ・シミュレーション / コイル-グロビュール転移 / 分子内相分離 / 蛍光顕微鏡 / 単分子観察 / 荷電高分子 |
研究概要 |
本研究費交付期間中における目的はDNA分子の相転移のメカニズムの解明と、その高次構造制御の方法論の確立であった。具体的には既に発見していた単一高分子鎖の相転移挙動を実験・理論両面からさらに追究するとともに、その相転移現象と関連させることにより、高分子鎖の折り畳みの制御の方法を確立することを目指した。 本研究の主要な成果は次の6点に集約される。1.長鎖DNAの単分子結晶の形成過程を溶液中での直接観察によって捉え、それが核形成・核成長の一次相転移プロセスであることを明らかにした。2.さらにそのダイナミクス及び、グロビュール状態の微細構造をモンテカルロ・シミュレーションによって理論的に再現することに成功した。3.結晶形成の速度論に関する理解に加え、結晶の平衡論的な安定条件を理論的に予測し、実験によって検証を行なった。4.多価カチオンによる凝縮転移に対し実験・理論の両面からアプローチすることによりDNAのコイル-グロビュール転移においては対イオンの並進エントロピーが大きく寄与していることを明らかにした。5.凝縮状態DNAの構造に分子内相分離を引き起こす凝縮剤を同定した。6.長鎖DNAの高次構造に溶液の履歴を反映した制御が観測される具体的現象を特定し、その効果の原因として、共存化学種のDNAへの競争的結合の速度過程と、系の自由エネルギーの多重安定性とが関係することを理論的に検討し実験との定性的な一致を得た。 本研究費交付期間中に得られた上述の知見によって、相転移現象の動因に対する理論的理解が一段と深まったことに加え、相転移を通じて形成される構造の制御に関しても、実験と理論の両面が新しい地平を拓くこととなった。
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