研究分担者 |
WALTER Fulgi トリノ宇宙地球物理研究所, イタリア, 研究員
OSCAR Saaved トリノ大学, イタリア, 教授
PIERO Galeot トリノ宇宙地球物理研究所, 教授
斉藤 勝彦 足利工業大学, 工学部, 講師 (30118434)
山下 敬彦 岡山大学, 理学部, 講師 (00032813)
高橋 信介 弘前大学, 教養部, 助教授 (40216742)
中川 益生 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (70148683)
山本 勲 岡山理科大学, 工学部, 教授 (50090220)
井上 直也 埼玉大学, 理学部, 助手 (40168456)
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研究概要 |
本研究は[LVD,Large Volume Detector]実験と,[LMD,Large Massiive particle Detector]実験から成るので,それぞれ別個に実績の概要を記載する。 1,LVD実験:大容積液体シンチレータ・タンクによる大容積ニュートリノ,ミューオン検出器である。LVDの第一期建設計画の「タワー1」は平成4年に完成し,トラック検出器の調整も済み,その年の6月からデータが取れるようになった。平行して,「タワー2,3」の建設が始まり,平成9年3月末には「タワー2」からのデータが取れるようになる予定である。平成6年以降,日本から現地(イタリア,グランサッソ-地下実験所)におもむき,装置の運転及び共同作業やデータ解析などを行ってきた。LVD装置の運転(シフト)業務は各国で分担している。日本グループとしては年間最低4週間従事することになっていたが,本年から6週間になったので,この業務を最優先した。 2,LMD実験:LMD実験としての超低速・超重粒子検出用熱ルミネッセンス[TL]スタック[TLS]はTLシートと医療用X線フィルムを多数枚重ねたものからなり,通常の電離型放射線検出器では検出が困難とされる超重粒子の検出を目的としており,平成6年9月に40平方メートルのTLシートスタックをイタリア,モンブラン地下実験所に設置した。17ヵ月後の平成8年2月にXフィルムを現像し,解析した結果,超低速・超重粒子の可能性を持つ3例の候補イヴェントが見つかった。対応する箇所のTLシートの読み取りを行った結果,バックグラウンド[BG]が多いため候補イヴェントのTL発光が統計的優位性を示すものは1例のみだった。それまでにBG測定をして低いことが判っているグランサッソ-地下実験所のLVDタンクの上に平成8年8月に新しいTLSを25平方メートル設置した。このTLSは二重真空パックにしたので成果が期待できる。
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